議員として最低限備えておくべき能力とは?

      2017/03/11

議員選挙にタレントが立候補することをしばしば見かけます。また、マスコミが「●●の政策はこういったデメリットがあるから失策だ!」という一方的な批判をするケースを多く見かけます。

こういったタレント議員や、デメリットに着目した政治批判はより良い日本にしていくのに本当に役に立っているのでしょうか?

 

この投稿では、政治家が最低限備えておくべき能力は何なのかについて考察してみました。そして、政府や政治家を批判する立場であるマスメディアが、本来果たすべき役割についての説明を試みています。

 

結論としては、マスコミが政策批判をするのであれば、代替案と比較しながら批判するのが本来担うべき役割だと考えます。

タレント出身に限ったことではないですが、政治家は日本のあらゆる分野の問題についてどう対応するのかを自分の頭で考え、そして解決するための方針を示す能力を備えておく必要があると考えます。

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マスコミによる報道体質の改善点

最近報道で良く見かける築地市場の豊洲への移転問題を例に挙げて説明してみます。

豊洲市場は、地下水モニタリング調査で環境基準を大幅に上回る汚染物質が見つかりました。マスコミや一部の議員は、このような事態を招いたのは誰なのかという犯人探しや、豊洲市場への移転によるデメリットを強調して移転に反対しているのを良く見かけます。

 

過去に誰がどのような根拠に基づき今回の様な結果を招いたのかを追求することは、再発防止のためにもとても大事なことだと思います。しかし、私たちがもっと時間をかけて考え、議論すべきなのは「今後どうすればよいのか」ということです。

この投稿を読んでくださっている方々に自分の記憶を辿ってみて頂きたいのですが、築地市場移転問題について豊洲へ単純に移転すること以外にどのような代替案を知っているでしょうか?そして、それら代替案のメリット/デメリットと、豊洲市場移転のメリット/デメリットとの比較をどの程度聞いたことがあるでしょうか?

恐らく、豊洲市場への移転でこのような環境問題を発生させてしまったのが誰の責任なのかという話は記憶に多く残っていて、代替案のメリット・デメリットについては余り記憶にないのではないでしょうか?

 

関係者にインタビューをする際は、事実関係を質問するだけでなく代替案についても会話し、それも報道することをマスコミの方々にお願いしたいです。代替案のメリットやデメリットが私たちの記憶にしっかりと残ることで、私たちが友人や知人と雑談する際のクオリティが格段に高まることが期待できます。

今日の報道体質では、豊洲市場の話をする際に「ベンゼンがあれだけ出たらもう駄目だな」「誰に責任があるんだ」といった話に留まってしまいます。これでは批判をするだけであり、今後どうすべきかの議論になりません。

しかし、代替案についての報道が多くなれば、「この案は●●のデメリットが深刻過ぎる。だからこっちの案を自分は支持する」「●●という代替案が成立するのであれば、●●といった案での対応も可能なのではないか」といった話を友達等とするようになります。つまり、世の中で未来志向の話が増えるようになると思われます。

 

国会議員が最低限備えておくべき能力

国会議員に限らず都道府県議会議員にも言えることですが、議員の方々が最低限備えておくべき能力とは何でしょうか。

議員の方々に課せられた仕事は、限られた予算(お金/施策)をどのように配分するのかだと思います。このように考えると、議員の方々は国民が「今何に困っているのか」「将来どのようなことに困る可能性があるのか」等について理解し、解決策を考える能力を最低限身に付けておく必要があるということになります。

 

北海道でジャガイモを作っている農家の方は、自分達が何に悩んでいるのかは誰よりも理解していますが、首都圏で母子家庭の母親が何に困っているのかは、分からないのではないでしょうか。

議員の方々は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)をどう着地させるべきか、待機児童問題の解決や児童手当は現在の制度で十分なのかについて、限られた予算や制約条件の中で優先順位を付けて決断していかなくてはなりません。

私は、日本全体を良くすることに情熱と時間を注ぐことが本当に出来るのかということを、タレント出身の議員の方々にお伺いしたいです。ご自身が体験して不便だと感じた事に関する政策以外にも、あらゆる問題や課題について理解し、予算や制約条件の中で優先順位を付け、解決策を提示することが出来るのでしょうか。

もしそれが出来ないのであれば、議員を辞職し、タレント活動を通じて自分が解決したいと考えている問題に情熱や時間を注いでほしいと思います。

 

議員が定める政見、それを具体案に落とし込む官僚

元経済産業相の官僚であった宇佐美典也氏は、次の様なコメントをしています。

「物事に対して政治家が戦略レベルで一定の方針を決めたとします。これを政見と呼びますが、その政見を具体的なアクションに落とし込む戦術レベルの政策を立案するのが官僚の役割です。ただどんな政策を展開するにあたっても、必ず障害が生じます。

例えば、よく古賀さんが、「農業を再編するためには農家を保護せずに、もっと潰れるべき農家は潰すべし」と主張しています。しかし当然農家を潰したら失業者がたくさん生まれる。そうした失業者たち、例えば30~40年間農業一筋でやってきた50代、60代の人たちに対して、「あなたは明日から成長産業に移ってください」といってもそれは無理でしょう。残念ながら成長産業側が、「なぜ数十年間農業をやってきた人を我々が雇わなきゃならないのか」とお断りしてしまいます。

仮に古賀さんが「農家はもっと潰すべき」という主張をするなら、その結果路頭に迷う人の救済が円滑に進むような仕組みを合わせて提案することを政策というんです。そうした仕組みを自分で考えつかないから、「それができないのは農水省が利権を手放さないからだ」といって陰謀論を唱える。そういう陰謀論者をメディアで取り上げるのは、本当はいいことではないと思うんですよ。」

出典: BLOGOS 「キャリア官僚だって人間」―30歳元キャリア官僚の語る霞ヶ関の実態

 

最後に

繰り返しになりますが、マスコミが政策批判をするのであれば、代替案と比較しながら批判するのが本来担うべき役割だと考えます。視聴率や発行部数を稼ぐためには批判的に報じざるを得ないのも理解できますが、社会的使命という観点から、代替案についても積極的に報じて頂ければと願っています。

 

そして、タレント出身に限ったことではないですが、政治家は日本のあらゆる分野の問題についてどう対応するのかを自分の頭で考え、そして解決するための方針を示す能力を備えておく必要があると考えます。

マスコミが代替案を積極的に報じるようになれば、国民の目が肥えることになり、このような能力が備わっていない議員は淘汰されていくことになると思います。

しかし、タレント議員の方は自分の生涯を通じて情熱を注ぎ、解決したい問題があるからこそ議員という道を選んだのだと思います。もしそうであるならば日本の全体最適という役割を担っている議員は直ぐに辞職し、講演等のタレント活動を通じた啓蒙活動に時間や情熱を注いで頂きたいと思います。

そのような活動を通じて賛同者が増え世論が形成されていけば、議員の方々が他の政策とのバランスを考慮しながら、一定の解決に向けて動いてくれるはずです。

 

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 - 政治