橋下徹氏が評価される理由
2017/03/11
2016年10月24日、「橋下×羽鳥の番組」に村田蓮舫議員が出演されました。この番組で村田蓮舫議員の二重国籍問題を議論した際、橋下氏は蓮舫氏の口頭説明のみでこの問題が解決だという態度を取っていました。
橋下氏が大阪府知事や大阪市長を務めていた頃は、世間から批判を受けるようなことであっても、自分が正しいと信じている政策は、理由とともにきちんと世間に説明し実行するというスタンスはとても素晴らしいと感じていました。
しかし、この番組での橋下氏は事実や根拠に基づいた議論を追求しておらず、とても残念に思います。
目次
事実や根拠に基づいた議論の重要性
橋下氏は弁護士資格を持っており、これまでに多くの契約書を見てきたことと思います。つまり、法的な書類がいかに重要かということは十分認識しているはずです。
村田蓮舫議員は、自身の二重国籍問題について過去の手続きミスを認めたことは評価できますが、現在それが解決されていることの証拠を提示していません。
2016年10月6日の記者会見で、「極めて私の個人的な戸籍の件に関しては、みなさまの前で話をしようとは思っていない」と発言し、戸籍謄本の「国籍選択の宣言日」について開示することを拒否しました。
さらに、2016年10月18日、村田蓮舫氏の要請で各社の記者が集められた際の会見では、蓮舫氏の弁護士らが同席した上での二重国籍問題に関するオフレコの会見となり、「自分の子供に影響を与えてはならないので」という理由で戸籍謄本の開示を拒否しました。 (出典: 蓮舫代表、戸籍公開は「子どもに影響」で拒否 言い訳と開き直り 2016年11月11日 週刊新潮)
尚、二重国籍問題については過去の投稿で詳しく説明しているので、興味のある方は是非こちらをご覧ください。
村田蓮舫議員の二重国籍問題に関する説明責任と、推薦人が果たすべき責任
「橋下×羽鳥の番組」においても、蓮舫氏は戸籍謄本の開示を拒否しました。弁護士としての強みを生かして、根拠となる法定書類の開示がいかに大事かを橋下氏が説明し、蓮舫氏の説明責任を追及することを私は期待していたのですが、それは実現されませんでした。
戸籍謄本の開示を迫った東国原氏はとても良い仕事をしてくれたと思います。
説明責任の追及がされなかった背景
橋下氏が弁護士資格を持っていることを鑑みると、戸籍謄本非開示について追求しないのは不自然だと思います。そこで、なぜそうしなかったのかについて私なりに考えてみました。
理由① 出演の条件だった
蓮舫氏を番組に出演させるためには、戸籍謄本の開示に関する追求を橋下氏がしてはいけないという制約条件があったということが想定されます。そうはいっても番組で一度も触れないのはおかしいので、東国原氏に追求させ、その直後に石原良純氏による論点を変えた発言をさせることで、番組としてのメンツと、蓮舫氏のメンツの両方を立てたということが考えられます。
東国原氏が「戸籍謄本を何故開示しないのか」と追及する発言の直後に、石原氏が「法律の第●条とかいった難しい言葉ではなく、もっと世間で分かりやすい言葉で説明してよ」という趣旨の発言をし、論点を変えてしまっていました。
理由② 橋下氏としては戸籍謄本の開示は重要な問題でないと考えている
番組では限られた収録時間の中で多くの議題を進める必要があります。そのため、蓮舫氏が過去の手続きミスを認めたことを以って問題が解決したこととし、他の議題に時間を割きたいと考えたということが想定されます。
橋下徹氏が世の中から評価されている理由
繰り返しになりますが、橋下氏が大阪府知事や大阪市長を務めていた頃は、世間から批判を受けるようなことであっても自分が正しいと信じている政策は、理由とともにきちんと世間に説明し実行するというスタンスは、とても素晴らしいと感じていました。
選挙に勝ったり、テレビで冠番組をやっていられるのも、こういった背景からではないかと思います。
テレビに出ているため今はタレント(私人)であり、政治家(公人)ではありません。今後、もし政治家として活動することがあるのであれば、是非上記のようなスタンスに戻って頂きたいと願っています。
そうでないなら代わりとなる人材はいくらでもいるため、橋下氏がわざわざ政治家をやる意味がありません。
テレビの影響力は大きいものがあります。タレント(私人)としての活動を続けるのであれば、せめて世間に誤解を与えるような発言は控えて頂きたいと思います。
蓮舫氏の二重国籍問題でいうと、「戸籍謄本の開示をしないと説明責任を果たしたことにならない」と一回だけでも良いので言うべきであり、蓮舫氏が口頭で過去の手続きミスを認めたことを以って解決したという態度をとってしまっては、多くの国民が誤解をしてしまいます。
大阪府知事、大阪市長時代に毎週のように「殺してやる」という脅しを受けながらも、既得権益に立ち向かい自身が正しいと信じる政策を実施してきた橋下氏は素晴らしいと思います。
そういった過去の自分に恥じない行いを、タレント(私人)としても続けて頂くことを願っています。