それでもボクはやってない/それだとボクはできません
2017/03/09
電車での痴漢や、痴漢被害を装った冤罪がニュースやバラエティ番組で取り上げられることがしばしばあります。冤罪をテーマにした「それでもボクはやってない」という映画というのもありました。
こういった番組等を見かけると疑問に思うのが、何故電車に監視カメラが無いのか?ということです。色々と考えた結果、東京メトロおよび都営地下鉄で監視カメラを導入する条例(もしくは法律)を作れば、痴漢に関する犯罪は減らすことが出来るのではないかという結論に至りました。
以下、この考えに至った経緯について触れていきます。
目次
監視カメラ導入のメリット
電車内に監視カメラを導入すると、痴漢の抑止力となるメリットがあります。満員電車の場合、監視カメラで犯行現場を撮ることは難しいと思いますが、写っているかもしれないというだけで抑止力になると思われます。「それだとボクはできません」という状況を作ることが出来ます。
タクシーにドライブレコーダーを設置したところ、事故が5割も減ったという事例もあります。映像が記録されているため、ドライバーが安全運転を心がけたことが事故の減少につながったと言われています。同様のことが電車内の監視カメラでも期待できるのではないかと思います。
また、痴漢の被害者と容疑者の言い分が食い違い、裁判になった場合にも役立ちます。犯行現場が写っていなくても、両者の位置関係が映像として残っているだけでも、どちらの言い分が正しいのかといった判断材料になり、冤罪や無用な争いを減らす効果が期待できます。
さらに、痴漢をでっちあげる組織的な犯罪があると聞いたことがありますが、監視カメラを設置すればそういった犯行にかかるコストが上がるため、そのような組織に痴漢をでっちあげる仕事を依頼する数が減り、冤罪を減らすことにもつながると思われます。映像が残るため、同じ人物が組織的犯行を繰り返すことも難しくなります。
監視カメラ導入のデメリット
電車内に監視カメラを導入するのは良いことばかりでもありません。デメリットの一つとしてはコストが考えられます。この他にも、映像を撮られることはプライバシーの侵害だと言う人もいるかもしれません。
監視カメラの設置コスト
では、鉄道会社が車両に監視カメラを設置すると、どのくらいのコスト負担になるのか試算してみたいと思います。
電車1両はだいたい1億円くらいするそうです。仮に1両あたり100万円の費用をかけて監視カメラを導入した場合、車両の製造コストは1%増加することになります。さらに、鉄道会社の運営コストのうち車両などの固定資産にかかるコストは2割くらいなので(JR東日本を参照)、1両あたり100万円の費用をかけて監視カメラを導入すると、それによって鉄道会社の費用は0.2%程度しか上昇しない計算になります。
この試算は、新しい車両導入の時に監視カメラを設置する場合の試算ですので、一気に全車両にカメラを設置すると、もっとコスト負担は増すことになります。
理想を言えば、全車両へのカメラ導入ですが、一部の車両に導入するだけでも大きな効果は期待できると思いますし、時間をかけて徐々に導入車両を増やしていけば、それだけコスト負担は軽減されることになります。
プライバシーの侵害について
では、プライバシーの侵害だという主張についてはどうでしょうか?犯罪捜査にのみ監視カメラの映像を使用するという条件を付けておけば、そのような主張を優先させる必要はないように思います。
監視カメラを設置するアイデア
これまで述べてきたように、車両内に監視カメラを設置するコストはそれほどかからないと試算されましたが、民間企業にコスト負担を強いることは難しいと考えます。
そこで、まずは東京メトロおよび都営地下鉄で、監視カメラを導入する条例(もしくは法律)を作るのは如何でしょうか。
これらの鉄道会社は民間企業ではないため、都民にとってメリットのあることであれば導入しやすいのではないかと思います。そして、実際に監視カメラが導入され、その効果が大きいということになれば民間の鉄道会社に波及していく効果も期待できます。
痴漢の被害を受けて迷惑を被っている方々、冤罪の被害者になることを恐れている方々、東京都に監視カメラ設置の要望を出してみるのは如何でしょうか?要望する数が増えればそれだけ実現する可能性は高まることになろうかと思います。
「それでもボクはやってない/それだとボクはできません」となるような環境が整うことを願っています。