民主主義の限界!トランプ氏の躍進と衰退
2017/03/09
今年のアメリカ大統領選は、トランプ氏が過激な発言を繰り返し、その度に支持率を上げてきています。しかし、トランプ氏が米国のために戦って戦死した遺族を揶揄する発言から、支持率を大きく下げました。
私はこの世論の動きを見て、民主主義の限界を感じました。
つまり、クリントン氏に投票するかそれともトランプ氏に投票するかの判断基準は、この二人がそれぞれ掲げている政策の内容ではなく、感情論で決める人が多くいるということです。
この投稿では、これまでのトランプ氏による暴言発言をまとめるとともに、人気投票となってしまっている民主主義の構造的な問題を解決するアイデアを提案したいと思います。
目次
暴言の数々
これまで、トランプ氏は以下の様な暴言を吐いてきました。
- すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を禁止すべきだ
- メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む
- (メキシコからの不法移民流入を防止するために)国境に万里の長城を建設し、メキシコにその費用を払わせる
- 世界同時株安は中国、お前らのせいだ
- 彼は捕まったから英雄になれた。私は捕虜にならなかった人のほうが良いと思う
(ベトナム戦争で捕虜になり拷問を受けたマケイン上院議員を揶揄した発言)
支持率を下げたきっかけ
上記のような問題発言を繰り返してきたトランプ氏ですが、同氏の支持率は暴言を吐く度に上がっていました。しかし、この流れにも遂に転機が訪れました。
クリントン大統領候補を支援する演説の場で、移民でイスラム教徒のキズル・カーン氏が、イラクへ派遣された際に死亡した息子について語ったうえで、「トランプ氏は国のために何一つ犠牲にしていない」と批判しました。
この批判に対し、トランプ氏は「自分もたくさんの犠牲を払ってきた」と主張。カーン氏と共に登壇したものの演説はしなかった妻ガザラ氏に対して「発言を禁じられていたのだろう」と揶揄しました。
イスラム教の世界では、女性の権利が男性に比べて制限されています。トランプ氏はこういった文化の違いを悪用して上記のように揶揄しています。
米国では国のために戦って死亡した軍人に敬意を払うという文化があります。そして、トランプ氏はこの発言で多くの米国人の反発を買い、支持率を一気に下げることとなりました。
各種世論調査で7月22日時点ではクリントン氏をわずかにリードしていたトランプ氏は、このカーン夫妻に関する問題発言後一気に支持率を下げ、7月31日時点ではクリントン氏に6~9%リードされました。
米国大統領を選ぶ時の判断基準とは
トランプ氏が支持率を下げることとなった一連の報道を見て、私は民主主義の限界を強く感じました。本来、どの政治家に投票するのかは、掲げている政策の中身を見て判断するべきだと私は考えます。
数々の暴言から明らかなように、トランプ氏はそれまで多くの愚策を掲げてきました。賢明な国民であれば、このような愚策を掲げる政治家には票を入れないと思います。しかし、現実はそうではありませんでした。
結局世論を動かしたのは、死亡した米国軍人にトランプ氏が敬意を払わなかったという感情論でした。
民主主義の構造的な限界を解決するアイデア
このように、感情論で政治家に投票してしまうと、日和見主義の政策ばかりが実行されてしまい、長い目で見ると国益を損なうことになると思います。
そこで、私はこういった事態を少しでも改善するアイデアを二つほど提案させていただきます。
一つ目のアイデアは、若い人により多くの投票権を与えるというものです。そうすることで、より長い視点に立った人の意見が政治に反映されることになると思います。このアイデアの詳細は以下の投稿をご覧ください。
二つ目のアイデアは、政治家が掲げる政策の内容について記載のない新聞や雑誌は買わないという不買運動を広げるというものです。以下の投稿で詳しく説明しているので、よろしければ以下のリンクをご覧ください。
トランプ氏がもしも大統領になってしまったら、今後人気狙いの政治家が益々増えてしまうのではないかと私は心配しています。
当然、この流れは日本にも波及することになると思います。
この投稿を読んでくださった方には、このような事態を防ぐためにも、上記2つのアイデアを広めたり、その他にももっと良いアイデアがあれば、世の中に広めたりしていって頂きたいと思います。