勉強はする必要があるのか?
2020/06/16
なぜ勉強をしなければならないのかという質問を子供にされたら、皆さんは何と答えますか?
このような質問をしてくる子供は、その理由を知りたいのではなく、どうすれば勉強する気になれるのかを知りたいのではないかと私は思います。
そこで、この投稿ではそもそも勉強する必要はあるのかについて説明し、次に、勉強しなければならない理由として子供の立場と国の立場それぞれの観点で説明し、最後に、どうすれば勉強するモチベーションを上げられるかについて考察していきたいと思います。
目次
勉強する必要はそもそもあるのか?
単刀直入に言うと、勉強する必要はありません。
今の日本は随分豊かになりました。生活保護の制度も充実しています。
日本国憲法第25条でも「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定められています。
つまり、勉強しなくてもただ生きているだけで良ければ、勉強をしなくても問題ありません。ただし、この選択をとった場合、それは後で取り返すことが大変難しく、大人になってからかなり過酷な人生を歩まなければならないことを覚悟する必要があります。
なぜ勉強しなければならないのか?(子供の立場からの説明)
勉強すれば良い学校に入れる。良い学校には入れれば、良い会社に就職できる。良い会社に入れれば、良い生活ができる。
これが一番単純で分かりやすい説明だと思います。
この他にも、人生を豊かにする、良い友達に巡り合える、人に騙されない、等色々な説明は出来ます。
私が好きな説明は、「人は知らない言葉では感動できない」というものです。もう少し別の言い方をすれば、「知識や教養を身に付けると、感受性が豊かになる」という説明になります。
例えば、ライフ・イズ・ビューティフルという映画をご覧になられた方はいらっしゃるでしょうか。
この映画は、第2次世界大戦時におけるナチスの強制収容所を舞台にして、家族愛を描いた映画です。
子供がこの映画を見れば、戦争って怖いなあとか、漠然と良いお父さんだねといった感想を持つだけかもしれません。
中学生くらいになり世界史を学ぶと、戦争ではこんな残虐なことが行われるのかとあらためて感じ、それがたったの70年前の出来事であることに驚くのかもしれません。
大人になり家庭を持つと、家族を必死に守ろうとした父親の行動に心を打たれるかもしれません。
政治や経済について勉強をすると、民主的方法によりナチス党が支持された背景に思いを巡らせたり、ユダヤ人が迫害されていたことにあらためて気付かせられたり、同じような過ちを人類が犯さないためにはどういったことに気を付ければよいのかを考えるかもしれません。
なぜ勉強しなければならないのか?(国の立場からの説明)
皆さんがもし文部科学省の官僚だったとして、国の制度を作る立場にあった場合、国民が勉強すべきかどうかをどのように考えるでしょうか。
仮に、勉強をさぼれるようなシステムを採用すると、どのような不都合あるのかをいくつか例示してみます。
- 例えば、勉強をする人がいなくなれば、自動車を作る技術者がいなくなります。
- 例えば、勉強をする人がいなくなれば、ビルを建てられる人がいなくなります。
- 例えば、勉強をする人がいなくなれば、道路の信号を制御できる人がいなくなります。
勉強をさぼれるようなシステムを採用しても、一部の人は頑張って勉強すると思います。しかし、日本の生活インフラを支えるのに十分な人数を確保することは難しくなると考えられます。
インフラだけにとどまらず、日本経済も停滞して国が廃れてくことも予想されます。
国を運営する立場であれば、国民の教育レベルを維持したり上げることはとても重要であると言えます。
勉強のやる気スイッチを入れる方法
勉強することが自分自身にとっても国全体にとっても大事なことが分かりました。だからといって、今勉強できるかといえば、それはとても難しいことのように思えます。
想像してみてください。子供にとって勉強が報われるのは10年20年先の未来です。そんな遠い将来のために、今この瞬間に勉強をしろと言われてできるでしょうか?私だったら明日でいいやと考えると思います。そして、その「明日」はずっとやってきません。
ではどうすればよいのか?私が考えるモチベーションをあげる方法をいくつか紹介させていただきます。
職業体験をさせてあげる
勉強した人だから就くことが出来る高度な仕事と、誰かに雇われてひたすら単純作業を繰り返す仕事の両方を知ることが出来れば、今勉強をさぼればどういった未来が待ち受けているのかイメージしやすくなります。
職業体験が難しいのであれば、ネットで仕事の雰囲気が分かる動画を探して子供に見せてあげるのも良いと思います。
とても高い品物と、とても安い品物の二つを同時に体験させる
例えば、とても高い肉と、とても安い肉を一緒に買ってきて、子供に食べ比べをさせてみます。そうすれば、お金を稼げないとどのくらい違う生活が将来待ち受けているのかということについて身をもって感じることが出来ます。
もちろん、人生お金が全てではないですしもっと大事なことは山ほどあります。しかし、生活をするためにはお金はとても大事であることを分かりやすく伝えることが出来ると思います。
毎日子供を応援する
これがとても大事なことだと思います。人はとても弱い生き物です。将来困ることが分かっていても、今、遠い将来のために勉強できるかと言われればとても難しいです。
自分の子供に勉強させたいのであれば、その子が勉強したくなるような環境を整えてあげて、応援してあげることがとても大事だと思います。
これは勉強しなさいと命令することではありません。
勉強で分からないところがある子に対しては、それを教えてあげることで理解できることの喜びを教えてあげることかもしれません。
夫婦喧嘩の絶えない家族であれば、喧嘩をおさえて、笑いの絶えない家庭環境を整えてあげることかもしれません。
いつも悪い点数しか取れない子に対しては、テストで良い点を取ったときにとても大げさに褒めてあげることかもしれません。
どういったことが子供を応援することになるかは、それぞれの家庭ごとに違うと思います。それぞれの子供にあった応援の仕方があると思います。
最後に
勉強はとても楽しいものです。そして、何故勉強をしなければならないのかとぼやいている子供はとても不幸だと思います。
そういった子供が一人もいなくなるような世界にしたいと私は考えています。そのような世界にするには、ここで紹介させていただいた方法以外にも、もっと良いアイデアは沢山あるのだと思います。そういった方法があれば、またこのブログで紹介させていただきたいと思います。
公共放送として大きな影響力を持ち、公共の福祉に寄与することを使命としているNHKさんには、是非このテーマで良い事例の紹介をする番組を作っていただきたいと願っています。とても社会的意義のあるテーマなのではないかと思います。