細野議員の印象操作 ~大学無償化について~

      2017/05/14

細野議員(民進党)と、井上晃宏氏が大学無償化を巡って対立する投稿がアゴラでなされました。

民進党は大学無償化を政策に掲げていますが、井上氏は貧乏人の馬鹿息子は大学に行かなくていいと批判しています。

アゴラの投稿では、細野議員は一見この批判をうまくかわしている印象を読み手に与えていますが、実際はうまく言葉を選んで印象操作しているに過ぎません。細野議員は、貧乏人の馬鹿息子にも税金を使って無償で大学に行かせてあげるべきという主張を変えていません。

 

この投稿では、一連の経緯と、どのような印象操作をしているのかについて説明を試みています。

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目次

アゴラへの投稿と批判

民進党の衆議院議員である細野豪志氏が、アゴラへの投稿「生活保護家庭の子どもに進学の機会を(2017年3月6日)」で、次のように述べています。

大学・専門学校などへの進学率は、全世帯平均の7割なのに対して、生活保護世帯は3割に留まっている。多くの子どもたちが最初から進学を諦めているからだ。私は誰もが大学に行かねばならないと思っているわけではない。経済的な状況に関わらず、勉強したい子どもには平等にチャンスを与えるべきなのだ。

 

この投稿に対し、井上晃宏氏がアゴラへの投稿「貧乏人の馬鹿息子は大学に行かなくていい(2017年3月7日)」で、次のように批判しています。

貧困層の大学進学問題を考える場合は、「貧乏人の馬鹿息子を大学に行かせるべきかどうか」という問題を考えた方がいい。政府自民党も、民進党も、「全員に区別なく大学教育を与えるべき」というところでは一致している。「選抜」という発想がない。

 

このように批判されたことに対し、細野氏は「『貧乏人の馬鹿息子は大学に行かなくてもいい』とのブログに対して」という投稿で次のような反論をしています。

生活保護家庭の子どもは、“能力に関わらず”大学にも専門学校にも行くことを認められていないのだ。そこを変えるべきだと私は思う。

この反論は、言い方を変えると「貧乏な家庭で頭の良い子には大学や専門学校に行けるチャンスを与えるべきだ」と主張しています。

 

細野議員の印象操作

一見すると細野議員は井上氏の意見に賛成しており、言葉足らずだっただけと説明しているように見受けられます。しかし、本当にそうでしょうか?表を使って整理してみたいと思います。

家庭が裕福かどうかという観点と、子供が頭が良いかどうかという観点をつかって、以下の様な4通りの生徒に分類できます。

馬鹿 天才
貧乏 ①貧乏な家庭で馬鹿な子供 ②貧乏な家庭で頭の良い子
金持ち ③金持ちの家庭で馬鹿な子供 ④金持ちの家庭で頭の良い子

 

井上氏が主張しているのは、「①貧乏な家庭で馬鹿な子供を大学に行かせるな」ということです。

細野議員が主張しているのは、「②貧乏な家庭で頭の良い子を大学に行かせるべき」ということです。

 

つまり、細野議員は①貧乏な家庭で馬鹿な子供を大学に行かせるな」ということを否定していません

これには細野議員がどういう立場にあるのかを考える必要があります。

 

民進党の政策「大学までの教育無償化」

民進党は2016年12月1日に発表した「民進党の経済政策」の原案で、大学までの教育無償化を掲げています。

細野氏は民進党の議員であるため、党が掲げる政策を否定することは出来ない立場にあります。そのため、「“能力に関わらず”大学にも専門学校にも行くことを認められていないのだ。そこを変えるべきだと私は思う。」という回りくどい説明で、井上氏の批判を表面的に回避し、印象操作をしているものと思われます。

 

井上氏には是非この観点で、もう一度細野氏の返しに反論して頂くことを期待しています。

私としても井上氏と同意見です。大学の費用はだれが負担すべきかについて、別の投稿で私の考えを詳しく述べていますので興味のある方は是非ご覧ください。

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