東大から入試がなくなる日
2017/03/11
2016年、日本最高峰の東大で遂に推薦入試が実施されました。これまでも国語で感想を述べさせる作文の問題が出されたり、イラストを見た感想を英語で書かせる問題が出題されたりしてきました。このように、東京大学は入試問題をかなりの時間をかけ、こだわりを持ち、様々な工夫をして、東大が求める優秀な学生が入学するようにしてきたのだと思います。
目次
大学で遊び呆ける現行制度の問題点
東大に限らず、大学に入学することは「受験戦争」と言われるように大変競争が厳しいのが現状です。一方で、卒業はとてもハードルが低く、大学に入学した後は学校にも行かず遊んでばかりいる学生が多い様に感じます。このような教育の仕組みでは、せっかく入学まで積み上げた知識を大学生活の4年間で無駄にしてしまっていることになり、とてももったいないことになっていると私は感じています。
大学卒業までに多くの教育費を親が支払い、多くの税金が投入され人材育成がされていきますが、学生生活最後の4年間で学ぶ量は、高校生活までのものと比べてはるかに薄く、それまでにかけた教育費や時間が台無しになってしまっているのではないでしょうか。
このような状況を生み出してしまっている日本の教育制度をこのまま続けてしまっても良いのでしょうか?そこでまず、理想的な教育制度について考えてみたいと思います。
理想的な教育制度とは?
より多くのことを学べる仕組みになっているものが、理想的な教育制度だと考えられます。一日はたったの24時間しかありません。1年はたったの365日しかありません。その限られた時間の中で私たちが学べることはそれほど多くはありません。
期末試験に向けて一夜漬けの勉強をして学べる量よりも、毎日継続して学べる量の方がはるかに多いと言えるでしょう。同様に、大学入学に向けて入試対策の勉強で学べる量よりも、大学卒業に向けて継続して勉強し続けて得られる量の方がはるかに多いと言えるでしょう。つまり、継続して勉強し続ける仕組みになっているのが、理想的な教育制度だと言えます。
東大の入学者数を2倍にすることの波及効果
そこで、東京大学の入学者数を今の2倍に増やし、その半数の学生が卒業できるようにする方法を採用するのは如何でしょうか?そうすることで、受験対策としての無駄な勉強の時間を減らすことができ、入学後も進級のためにこれまで以上に継続して勉強し続けるという効果があります。
この方法を採用した場合に問題となるのが、途中で退学となってしまう東大生の受け皿をどうするかです。東大を目指して入学したものの、卒業することが出来ずに大学中退になってしまった場合の対応策が必要になります。そういった学生には、他大学への編入という方法を多くの大学で受け入れる方法で解決できます。他の大学からしてみれば、優秀な学生を受け入れることが出来るというメリットがあります。
東大で入学よりも卒業を難しくする制度を導入すると、東大生がこれまで以上に勉強をし、優秀な学生が育つこととなります。そして、東大卒というブランド価値が高まっていくことになっていけば、早稲田や慶應でも同じように入学よりも卒業を難しくするという制度を導入していき、さらにこのような動きが他の大学へも波及し、日本全国の大学に広がっていくことが想定されます。
そうなれば、日本で大学を卒業することの価値が高まり、これまで大学生活の4年間を遊びに費やしていた学生が減っていくことになると考えられます。日本の教育水準が上がれば、海外からも優秀な学生が集まり、それが巡り巡って日本の産業発展に貢献することとなります。
費用をかけずに2倍の入学生の受け入れ態勢を整える方法
入学者数を2倍に増やしてしまうと、大学側の受け入れ態勢が整わないのではないかという疑問もあろうかと思います。すべての教室を2倍の大きさにはできません。しかし、今はIT環境が整っており、授業は録画した授業をPCで見るという方法も取れます。
また、大学1・2年生は基礎的な授業が多く、教授や他の学生と意見を交わしながら進める類の授業が少ないため、このような映像を見ることがメインの受講形式が成り立つと思います。
東大から「入試」が無くなる日
東大の入学者数が今の2倍になり入学の難易度が下がる日、言わば東大から「入試」が無くなる日が来ることを願ってやみません。
東大が変わればその他の大学はそれに追随せざるを得なくなるでしょう。
このブログを見てくださっている方々で、文部科学省の官僚関係者や東大の運営関係者の知り合いがいる方がいれば、是非このアイデアについて議論していただけないでしょうか。そして、大学入学に注力し過ぎている日本の教育制度を根本から変え、多くの学生が勉強し続けるようになる制度導入へ向けた議論が活発化されることを願っています。