男性でも女性でもない「インターセックス」にとってのオリンピック

      2017/03/09

LGBTという言葉が定着しつつありますが、インターセックス(両性具有)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

インターセックスとは、男性と女性の両方の身体的特徴を持っている方のことを言います。そして、リオオリンピックでこのインターセックスの方が女子の競技に出場し、金メダルを取りました。

 

インターセックスの方が男性、女性どちらの競技に参加するべきかはとても難しい問題であり、正解というものはありません。

この投稿は、インターセックスについて認知度を広げることを目的としています。そして、日本は東京オリンピックを2020年に控えているため、その際にどういった方法を取るべきかについて世の中でもっと議論して頂きたいと願っています。多くの人が議論することで、より納得感のある方法が見いだされることを願っています。

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金メダルを取ったインターセックスの選手/メダルを取れなかった女性選手

リオオリンピックの女子800メートルで、キャスター・セメンヤ選手(南アフリカ共和国)が金メダルを獲得しました。この選手はインターセックスであり、これまで「女性」として生きてきた方です。

6位に終わったリンジー・シャープ選手(英国)はレース後のインタビューで、「男女それぞれの性的特徴を持つインターセックスの選手たちと戦うのは本当につらかった」と述べています。

 

男性として競技に参加すべきか、女性として競技に参加すべきかの判断はとても難しい

オリンピックでは100分の1秒が競われます。そして、インターセックスであることが、女性選手に対して不当な優位性を持っていないかどうか、もし不当な優位性が認められる場合、どういった対策を取るべきかが議論されてきました。

国際陸上競技連盟(IAAF)は、これまでにインターセックスの方々に対する判断基準や対策として、様々な変更がなされてきました。最近では次のような動きがありました。

  • 2011年、テストステロンなどの男性ホルモンの分泌が一定以上になった場合、女性選手としては競技には出られないとする決まりを策定。女性として競技に参加するには、この設定枠を超えないようにテストステロンの分泌を抑制する薬を飲むことが条件として定められた
  • 2015年7月、上記抑制剤を摂取するなどの規制が撤廃

 

この他にも、男性なのか女性なのかの判断方法として、染色体を活用する方法も用いられています。

国際オリンピック委員会による性別テストでは女性選手の頬の内側から標本を採集して染色体を調べる方法が活用されています。これは、女性であればXX型、男性であればXY型の染色体を持っているからなのですが、女性であってもXY型の染色体を持っている場合が稀にある場合があります。このように、性別を判断することを一つ取っても、簡単ではないことが伺えます。

 

インターセックスの方々をどのように扱うべきか?

東京オリンピックが2020年に迫っており、その時までにはインターセックスの方々が男性枠として出場するのか、女性枠として出場するのか、それともさらに別枠でオリンピックに参加するのかの判断をしなければなりません。

そもそも、どのように取り扱うのが最善なのでしょうか。

様々な観点から、どのような方法が良いのか、メリットやデメリットは何かについて簡単に触れさせていただきます。

 

生物学的な観点では、男性、女性、インターセックスの3つのカテゴリーで競技をするというのが最適な方法なのではないかと思います。

しかし、インターセックスの観点から考えると、既に男性、女性としての生活を送っている中、インターセックスとして取り扱われることに精神的な苦痛を受けてしまうという懸念があります。

 

男性競技者の観点からすると、そもそも肉体的には他の性別よりも強いため、オリンピックで他の性別とひとくくりにされたとしても、それほどデメリットがあるとは考え辛いです。

 

女性競技者の観点からすると、インターセックスの方々が女性として競技に参加すると、一部男性としての肉体的特徴があり、そのことで競技をするうえでも優位性があるのであれば、いくら努力しても女性競技者がオリンピックでインターセックスの方々に勝てないというデメリットが考えられます。つまり、性別をどのように定義するのかはとても大事な問題となります。

 

経済的な観点からすると、2000人に1人と言われているインターセックスの方々について、あえて、男性、女性、インターセックスという3つのカテゴリーをオリンピックで設けることについて、費用をかけ過ぎという見方が出来ます。このように考えると、経済的な観点では現状通り男性/女性という分け方を採用すべきという結論になると考えられます。

 

東京オリンピックに向けて

現時点ではインターセックスの方がメダルを独占するという状況はあまり見受けられませんが、将来的にそのような事態になってくると、「生物学的に女性に対してインターセックスの方が優位性がある」という事例が増え、取り扱いが再度変更されることも考えられます。

 

いずれにしても、この問題は解決することがとても難しく、繊細な問題であることに違いはありません。次回オリンピックの主催国である日本人として、こういった問題があることについてより多くの人に知っておいてもらいたいと思います。

そして、どうすべきがについて多くの人が考えて議論することで、より納得感のある方法が見いだされることを願っています。

 

参考サイト:

日本インターセックス・イニシアティヴHP

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