日本銀行の仕組み ~インフレ税について~
2016/07/17
日本銀行がお金を発行して国債を買っていることはこの投稿で説明しました。
実は、日銀のこのやり方は実質的に増税していることになるのをご存知でしょうか?
これはインフレ税と呼ばれているものです。
日銀が通貨を発行すると、世の中に出回っているお金の量が増えます。世の中で作られるものやサービスの量が変わらない中、お金が出回る量だけ増えると、お金の価値が下がってしまいます。つまり、インフレになります。
インフレになると貯金していたお金の実質的な価値が下がってしまいます。これがインフレ税と呼ばれるものです。
政府はお金を発行することで実質的な国債発行残高を減らしています。
つまり、実態としては貯金を多くしている人から税金を徴収し、国債の償還をしていることになります。
この税金のかけ方には少々問題があるのではないかと私は感じています。
世の中には、所得税、相続税、固定資産税、事業税等色々な税金の制度があります。個人や企業それぞれの事情に応じて税を徴する様にこれらの税制は定められています。
収入の多い人はより多くの税金を納めますし、土地を多く持っている資産家は、それに応じて税金を納めます。
しかし、インフレ税は預金に対して一律に課せられる税金であり、上記税制の趣旨を全く無視した税金の取り方をしてしまいます。
黒田総裁が行っている金融緩和はこのような問題を引き起こしていることについて、もっと世の中で議論がなされても良いのではないかと私は思います。