高齢者による自動車事故を減らすアイデア

      2017/03/11

高齢者が運転する車が事故を起こすニュースを最近良く見かけるようになりました。これから日本は本格的な高齢化社会を迎えていきます。高齢者の数が増えるため、何も対策を講じなければこのような事故は今後さらに増えていくことは明らかです。

この投稿では、現行の運転免許制度の問題点について触れ、このような事故を減らすためのアイデアを紹介させていただきます。

スポンサーリンク

 

高齢者が運転する車が起こした事故

各種報道で高齢者が起こした凄惨な事故をいくつか列挙いたしました。

高齢者で運転をしているご家族がいらっしゃる方は、運転を諦めさせる方法の一つとしてこれらの事例を紹介してみてはいかがでしょうか。

(この投稿はこういった事故を無くすことを目的にしているため、事故を起こした個人名は記載しておりません)

  • 2016年10月、神奈川県横浜市で87歳の男性が運転する車が通学中の小学生9人の列に突っ込み、8人が死傷。うち1人が死亡した。同容疑者には認知症の疑いも持たれている
  • 2015年12月、埼玉県さいたま市で81歳の男性が運転する車がアクセルとブレーキを踏み間違え信号待ちの車に接触した後、道路左側を歩いていた15歳の女性を後ろからはね死亡させた
  • 2015年12月、千葉県茂原市で71歳の男性が運転する車がアクセルとブレーキを踏み間違え、骨董市の会場に突っ込んだ。会場にいた6人が打撲などを負い病院に運ばれた
  • 2015年11月、福岡県みやま市で94歳の女性が運転する車が17歳の男子高校生が運転するバイクに衝突し逃走。男子高校生は一時重体となりリハビリも余儀なくされた
  • 2015年10月、宮崎県宮崎市で73歳の男性が運転する車が歩道上を約700メートル暴走。歩行者や自転車に乗っていた人を次々とはね、2人が死亡し17歳を含む4人が重軽傷を負った。同容疑者は事故を起こす2日前まで認知症の治療のため入院していたことが後に発覚した
  • 2012年11月、宮崎県えびの市で76歳の男性が運転する車が下校中の小学2年生の男児3人をはねる事故を起こした。男児のうち1人は意識不明の重体。同容疑者には認知症の疑いがあり、その家族の監督責任を追及するとして約3億6000万円の損害賠償求めて提訴された
  • 2011年6月、東京都江戸川区で81歳の男性が運転する車が歩道に乗り上げ歩行者らをはねた。この事故で歩行者の1人が死亡、30代の女性が意識不明の重体、その他2人が重軽傷を負った
  • 2008年9月、福岡県古賀市のホームセンターの駐車場で、74歳が運転する車がアクセルとブレーキを踏み間違え、店舗の壁を突き破り店内を10メートル先まで暴走。店内にいた客と従業員10人が巻き込まれた。1人が死亡し、乳幼児2人を含む9人が骨折や打撲の重軽傷を負った
  • 奈良県で76歳の男性が運転する車が国道のカーブを曲がり切れずに対向車線の車と正面衝突した。76歳の男性は軽傷だったものの相手方の運転手は大けがを負い、相手方の車に同乗していた妻が死亡、その子供は下半身不随の障害を負った

 

 

高齢者が起こした交通違反に関するデータ

2011~2013年の3年間で、国内の主要高速道路で逆走をしたことが判明した数は541件でした。そのうち、65歳以上の高齢者が運転していた件数は約7割も占めます。さらに、この541件の事例のうち、認知症の疑いがもたれている件数は約4割にも達します。

出典: NEXCO東日本 「高速道路における逆走の発生状況と今後の対策について」

高齢者の自動車事故に関する統計データは色々ありますが、私はこの高速道路を逆走しているデータがとても重要な意味を持っていると考えます。通常の自動車事故であれば、ハンドルを誤った場合でもすぐにブレーキを踏むことが出来ます。しかし、認知症の方が運転している場合、人をはねてもアクセルを踏み続けることがあります。上記の例でいうと、歩道を700メートル暴走した方がいます。こういった事故こそが自動車事故の中で最も恐ろしい点だと思います。

というのも、私たちがいくら安全に気を配っても事故に巻き込まれることを防ぎようが無いからです。私たちが日常生活を送る中で、車にひかれるとはとても予想できない場所まで、認知症ドライバーの車は乗りこんできてしまうということが問題だと私は考えます。

さらに上記統計データでは、65歳以上の高齢者で認知症でない方であっても、高速道路を逆走している割合がとても高いことも、指摘しておきたいと思います。

 

高齢者が免許を更新する現行制度の内容

通常、自動車の運転免許は5年毎に更新手続きを行う必要があります。75歳以上の高齢者は若干この期間が短く設定されており、3年毎の更新が必要となっています。

この3年毎の更新手続きの際、運転するのにふさわしい記憶力や判断力が備わっているのかどうかがテストされるのですが、どのような結果が出たとしても、免許更新できる仕組みになっています。

 

そして、高齢者に認知症の疑いがたとえあったとしても、事故や交通違反を起こさない限りは免許はく奪が出来ない制度になっています。

事故を未然に防ぐことが警察が担っている重要な役目だと思われるのですが、現在のルールでは、事故が起こってからでないと、対応できない仕組みになっていると言えます。(ただし、この点については2017年3月から制度が改善される予定です)

 

参考:

警視庁ウェブサイト 講習予備検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新)

警視庁ウェブサイト 高齢運転者に関する交通安全対策の規定の整備について(平成29年3月12日施行)

 

現行制度の問題点

私が考える現行制度の問題点は3つあります。

 

第一に、75歳以上の免許更新期間が3年間と長いことが挙げられます。認知症を発症し進行するスピードは個人差があり、認知症の原因によっても異なりますが、2~3年で自分のことや家族のことすら分からなくなってしまうまで進行するケースもあると言われています。

 

第二の問題点として、75歳以上の高齢者は事故や違反を起こさない限りは免許を更新できる制度設計になってしまっているのが挙げられます。

 

第三に、医師が認知症と判断した患者の情報が、警察と共有されていないと推察される点が挙げられます。高齢者が起こした自動車事故の事例を見てみると、医者から認知症と判断されていたにも関わらず運転免許をはく奪されていないケースが見受けられます。

せっかく医者の所に認知症患者の情報がたまっているのに、これを活用しないのはもったいないと思います。

 

 

高齢者による自動車事故を無くすアイデア

では高齢者が運転する自動車の事故を減らすために、どういった対策を取れば良いのでしょうか。私が考えたアイデアをいくつか紹介させていただきます。

 

アイデア① 運転免許の年齢上限の導入

この方法は管理する側である国としても一番コストがかからず、国民に対しても平等な方法だと考えられます。ただし、これまで運転が許されていた高齢者がその権利を例外なく奪われてしまうため、そういった方々からの反発が予想されます。

 

アイデア② 高齢者が免許を維持するためには、高齢者でない親族が連帯責任を負う署名を必須とする

高齢者が事故を起こした際は、その親族が事故で発生した損害について連帯責任を負うようにするというアイデア。高齢者と一緒に生活をしている家族が、日常生活を送っている中で高齢者の動作が遅かったり会話に違和感があったりすると、その家族は連帯責任を負うことを恐れて免許維持を許可する署名はしないようになります。

つまり、医者の判断に加え家族の判断も高齢者による運転の可否に加えるというアイデアです。

 

アイデア③ 高齢者に対して、対物、対人無制限の任意保険の加入を義務付ける

自賠責保険は対人の補償額が最大で4,000万円と定められています。例えば、40代で家族を養っている父親が高齢者に跳ねられて働けない体となり障害を負ってしまった場合、自賠責保険では被害者家族を養うには全く足りません。子供たちは高校や大学への進学を諦めなければならないかもしれません。

高齢者が加害者となった際、年金生活であり収入も限られている場合が多いと思われます。そのため、上記のようなケースでは被害者の妻や子供たちの人生にまで影響を及ぼすリスクをはらんでいます。

このような事態を避けるため、任意保険を義務付けることで被害者の生活を守るとともに、高齢者が運転する金銭的なハードルを上げることで、自主的に運転免許の返納を促す仕組みを取り入れるアイデアです。

 

アイデア④ 原則として高齢者の運転を禁止する。ただし、特別な事情のある人に限り免許継続を認める

自動車の運転ができないと生活が成り立たないという高齢者もいるかもしれません。そこで、この制度を導入する際は事前にアンケート調査等を行い、高齢者による運転が許可される事例をあらかじめ定めておくというアイデアです。

例えば、人口過疎地において、地域限定で運転ができる制度とするケースなどが考えられます。

ただし、小型の電気自動車などを活用すれば、通常の自動車をわざわざ運転しなくても高齢者が日常生活をする際にそれ程支障をきたすとは思えません。個人的には、過疎地においても高齢者の運転を禁止し、小型の電気自動車のみ許可するという方法が良いのではないかと考えます。

 

アイデア⑤ 高齢者の免許更新期間を1年とする

認知症を発症しそれが進行するスピードには個人差がありますが、3年の更新期間では、その間に重たい認知症を患うリスクが考えられます。例えば、更新期間を1年間とする等の対応をするのも一案かと思います。

 

アイデア⑥ 医者による通報義務

日常生活の中で自分の体調に不具合を感じ、病院で認知症の判断を下される人は多くいらっしゃると思います。せっかく医者のところに認知症患者の情報が集まっているので、医者には認知症患者の氏名を警察に知らせる義務を課し、警察が効率的に認知症患者の免許をはく奪できる仕組みを導入するというアイデアです。

 

 

最後に

個人的には高齢者には一律に運転免許をはく奪する制度導入をしてほしいと考えています。少なくとも、それに向けて段階的に上記アイデアが導入されれば有り難いです。

 

そして、自分がちょっとだけ便利に生活することよりも、他人の命を重んじる社会になってほしいと願っています。

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク

 - その他