これまでに解散総選挙で無駄遣いされた税金の総額
2017/03/11
日本では事あるごとに衆議院をいつ解散するのかといった話題が出てきます。しかし、国会議員の仕事は国会で政策について議論することであり、選挙で勝てる時期を見計らって解散することではありません。
この投稿ではこれまでにいくらの税金が解散総選挙で無駄遣いされたのかを試算しました。
そして、より多くの人に解散総選挙が税金の無駄遣いであるということをあらためて認識して頂き、衆議院は4年の任期を全うするのが当然と言う世の中に変えて行きたいという願いを込めて、この投稿をさせて頂いています。
解散総選挙で無駄遣いされた税金の累計額は?
1947年(昭和22年)4月の第23回衆議院議員総選挙は日本国憲法下での初の衆議院議員総選挙となりました。直近の衆議院議員選挙は2014年11月に第47回が開催されています。
つまり、1947年から2016年の70年間で合計25回の選挙が実施されました。
もし、これまでに一度も解散をせずに衆議院が4年の任期を満了していたとしたら、70年間で総選挙は18回ですみます。結局、7回分の選挙費用が無駄にかかったことになります。
1回の選挙で約700億円の費用がかかると言われているため、これまでに無駄遣いされた選挙費用は4,900億円(=7回×700億円)と試算されます。
(これは、過去の選挙でも今の物価で700億円相当の費用が掛かったという前提を置いた場合の試算です)
解散総選挙の合理性は?
これまでに解散を実行してきた首相や与党の政治家は、果たしてこれらの莫大な税金を費やす価値があったと説明できるのでしょうか?
ビジネスの世界では、プロジェクトを実施するかどうかは、その採算が合うかどうかについて数字を用いて議論するのが常識です。
過去に解散総選挙を決議した与党は、どのような議論をしてきたのでしょうか?一国民として是非知りたいです。
解散総選挙をする際に少なくとも議論しなければならないこととして、以下の点が挙げられます。
- 解散する前の与党の体制では実現できない政策(言い換えると、解散総選挙を実施することで実現できる政策とも言えます)
- この政策を実施することで生み出される経済的価値(この金額が少なくとも解散総選挙にかかる費用を上回っている必要があります)
もし、安倍首相が解散総選挙を実施する場合、上記2点について国民に説明する義務があると私は考えます。
少なくとも過去の解散総選挙がどういった効果があったのかは、検証できると思われますので、政治ジャーナリスト、コンサルタント、シンクタンク、政治学者、官僚、政治家等の方々に分析したレポートを世の中に発信してほしいと願っています。
それによって、今後無意味な解散総選挙が抑制され、政治家が掲げる公約の重みが増し、より良い日本になることに資すると私は考えます。