NHK予算の承認プロセスを踏まえた受信料削減のアイデア

   

NHKの受信料は不当に高いと私は考えています。そもそも、この受信料はどのようなプロセスを経て決定されているのでしょうか。私たちはこの受信料を適正な価格に下げる交渉は出来ないのでしょうか。

この投稿では、NHKの予算作成およびその承認プロセスについてご紹介します。そして、受信料を下げるために私たちに出来るアイデアをご紹介しています。

結論を先に述べると以下の通りです。

  • NHKの予算は総務委員会(国会)で承認を得ている。この委員会は40名の国会議員で構成されている
  • NHKは製作費を大幅に削減する余地がある。例えば、外国語を教える番組は新たに作る必要は無く、再放送で十分。こういった費用削減によって受信料も大幅に下げることが可能
  • この削減方法について総務委員会のメンバーに認知させ、NHK予算の審議時に議論させる。そうすることで予算削減を実現させる

以下順を追って説明します。

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目次

NHKの予算承認プロセスを定めた法律

NHKの予算に関する承認プロセスは放送法第70条で定められています。その流れは以下の通りです。

  • NHKが予算案を作成し、総務大臣に提出する
  • 総務大臣が予算案について意見を付し、内閣経由で国会に提出
  • 内閣は国会に付議することを議論
  • 国会での承認を得る

NHKの予算が承認されるということは、それに見合った受信料の徴収が正当化されることとなります。

つまり、NHKの予算を承認する権限を有しているのは国会です。別の言い方をすれば、NHKの予算が不当に高いかどうかを判断する責任を負っているのも国会ということになります。

放送法

(収支予算、事業計画及び資金計画)

第七十条 協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を付し、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない

3 前項の収支予算、事業計画及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が付してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。

4 第六十四条第一項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料の月額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。

2018年度の予算承認プロセス

2018年度の例を用いで、NHKの予算がどのように承認されていったのかをご紹介いたします。

①総務大臣の意見

NHKが自分たちで来年度の予算を作成し、総務大臣に提出します。それを受けて、総務大臣は意見を付さなければなりません。

2018年度予算については、「おおむね妥当」との意見を出していますが、「抜本的なコスト削減と受信料の見直しを検討すべき」という趣旨の意見も付しています。

総務大臣の立場で抜本的なコスト削減について言及するのは、かなり思い切ったことしてくれていると個人的には考えています。

日本放送協会平成30年度収支予算等に付する総務大臣の意見

総務省は、本日、日本放送協会平成30年度収支予算、事業計画及び資金計画に付する総務大臣の意見について、電波監理審議会に諮問し、諮問のとおり意見を付すことは適当である旨の答申を受けました。

なお、総務大臣の意見は別紙のとおりです。

(以下 別紙より一部抜粋)

協会の平成30年度収支予算、事業計画及び資金計画(以下「収支予算等」という。)については、前年度収支予算を上回る事業収入により、事業収支差金の黒字を確保し、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実等による海外情報発信の強化、我が国の経済成長の牽引力として期待される4K・8K等の先導的なサービスの推進、インターネットを活用した新たなサービスの創造、大規模災害等に備えた公共放送の機能の強靭化等に取り組むこととしており、おおむね妥当なものと認められる。

ただし、繰越金の現状や平成31年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえると、全体の収支構造が妥当なものと認められるか否かについて改めて検討することが適当であり、具体的には、既存業務全体の見直しや受信料額の引下げの可能性を含めた受信料の在り方について、検討を行うことを求める

出典: 「日本放送協会平成30年度収支予算等に付する総務大臣の意見」総務省ウェブサイト(2018年2月7日)より一部抜粋

 

②内閣による閣議決定

NHKの予算案に総務大臣の意見が付された後、内閣にて国会に提出することを承認するかどうかの議論がなされます。2018年度予算についてはたったの12分の会議で決議(閣議決定)されました。予算以外にも多くの議題があり、これは形式的な会合と推察されます。

つまり、閣議自体にはNHKの予算が妥当かどうかをチェックする機能が無いと考えられます。

閣議及び閣僚懇談会議事録

開催日時:平成30年2月9日(金)8:32~8:44

議事内容:

○菅国務大臣:ただ今から,閣議を開催いたします。

まず,閣議案件について,西村副長官から御説明申し上げます。

○西村内閣官房副長官:一般案件等について,申し上げます。まず,NHKの「平成30年度収支予算等」について国会の承認を求めることについて,御決定をお願いいたします。本件につきましては,後程,総務大臣から御発言があります。

(中略)

○野田国務大臣:日本放送協会の平成30年度の収支予算につきましては,事業収入が7,168億円,事業支出が7,128億円,事業収支差金が40億円となっております。事業計画につきましては,国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供,国際放送の充実,経済成長の牽引力として期待される4K・8Kの推進等に取り組むこととなっております。総務大臣といたしましては,この収支予算等について,おおむね妥当なものと認められるとした上で,繰越金の現状や平成31年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえ,既存業務全体の見直しや受信料額の引下げの可能性を含めた受信料の在り方について検討を行うこと,中期的な観点も視野に入れた協会の在り方について,ガバナンスも含めた一体的な改革について引き続き検討すること,二度と働き過ぎによって尊い命が失われることのないよう,徹底した働き方改革の取組を行うことを求めるとともに,国民・視聴者の受信料によって支えられていることを十分に自覚し,業務の合理化・効率化に向けた努力を行うこと,国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見を付しております。

出典: 「平成30年2月9日(金)定例閣議案件」 首相官邸ウェブサイトより一部抜粋

冒頭発言

おはようございます。

私の方から2件、報告させていただきます。

【日本放送協会平成30年度収支予算等国会提出の閣議決定】

本日の閣議において、放送法第70条第2項の規定に基づく「日本放送協会平成30年度収支予算等及びこれに付する総務大臣意見」の国会提出を閣議決定いたしました

今後、承認に向けて全力を尽くしてまいります。

(中略)

質疑応答

問:

幹事社から2問質問します。

NHK予算大臣意見にあります受信料引下げを含めた検討という点について、その考え方を教えていただきたいのが1つ。もう1つは、大臣が以前研究されていました女性政治塾について、その準備状況を教えてください。

答:

受信料については、国民・視聴者にとって納得感のあるものにしていく必要があり、NHKにおいては、受信料の公平負担を徹底するほか、業務の合理化・効率化を進め、その利益を国民・視聴者に適切に還元していくといった取組が求められていると考えております。

総務省としては、

  • 繰越金の現状や平成31年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえると、
  • 全体の収支構造が妥当なものと認められるか否かについては、改めて検討することが適当であることから、
  • 既存業務全体の見直しや受信料額の引下げの可能性を含めた受信料の在り方について、検討を行うべきであると考え、

その旨、NHK平成30年度予算に付する「総務大臣意見」で指摘したところです。

 

出典: 「野田総務大臣閣議後記者会見の概要」 総務省ウェブサイト(2018年2月9日)より一部抜粋

③総務委員会での承認

国会の本会議には数百人の議員が参加します。全ての案件をこの人数で議論すると非効率であるため、少人数の国会議員で事前に審議した上で、国会の本会議に付議するという手続きを得る事案があります。

この「少人数の国会議員で審議する会議体」として常任委員会が設置されており、衆議院、参議院で各々17の常任委員会があります。

法務省管轄の事項については法務委員会、外務省管轄の事項については外務委員会という名の常任委員会があります。

NHKの予算については総務委員会が管掌しており、40名の国会議員で構成されています。NHKの予算が妥当かどうかをチェックする機能は、この総務委員会が実質的に担っていると言えます。

2018年度の予算については以下引用の通り、2018年3月22日に全会一致で承認されてしまいました。

全議事録を読みましたが、NHKは必要以上に大きな組織になっているのではないかということが世間から頻繁に指摘されている中で、そのことに踏み込んだ議員は一人もいませんでした。

現在、NHKはテレビで6チャンネル(地上波2チャンネル、BS4チャンネル)、ラジオで3チャンネルを運営しています。個人的には、テレビで1チャンネル、ラジオで1チャンネルあればNHKの役割を十分果たせると考えています。それを実現するための支出削減策は色々考えられます。

例えば、外国語の番組については、新たに制作する必要はないと思われます。というのも、言語はそれ程頻繁に変わるものではないからです。過去数十年分のコンテンツが蓄積しているので、それを再放送すれば製作費はかかりません。

残念ながら、総務委員会でこういった指摘をした国会議員は一人としていませんでした。

以下に議事録の関連個所と、総務委員会のメンバー全員の名を記しておきます。

○野田国務大臣

総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、繰越金の現状や平成三十一年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえ、既存業務全体の見直しや受信料額の引下げの可能性を含めた受信料のあり方について検討を行うこと、中期的な観点も視野に入れた協会のあり方について、ガバナンスも含めた一体的な改革について引き続き検討すること、二度と働き過ぎによってとうとい命が失われることのないよう、徹底した働き方改革の取組を行うことを求めるとともに、国民・視聴者の受信料によって支えられていることを十分に自覚し、業務の合理化、効率化に向けた努力を行うこと、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見を付しております。

(中略)

○丸山委員 情報管理、どこの企業も今、時代的にセンシティブですが、NHKこそしっかりやっていただかなければならないと思います。受信料をいただいているわけですから、もし万が一、万々が一漏れてということになれば、恐らく国民の皆さん、非常にお叱りを受けると思います。しっかりこれはやっていただきたいというふうに思います。

国民の皆さんの声、いろいろ伺っていますと、いろいろなお声があります。そもそもNHK、お褒めの言葉もしっかりあると思います。いろんな御批判も多いですが、例えばNHKが出されているコンテンツ、大河ドラマとかおもしろいとか、朝ドラもいつも毎朝見ているよという、地元を回っていると、お母さんの声だとか、本当にコンテンツに対して非常に楽しみにされている方もいらっしゃる。何より報道で、民放がやらない部分に、NHK中継もそうですが、やってくださっている部分で大事な部分はあるというのが前提で、しかしながら、やはり国民の皆さんの声で、ここは変えていってほしい、ここはしっかりやってほしいという部分を、引き続きの時間で伺っていきたいというふうに思います。

一番多いのは、やはり受信料の話なんですよね。受信料、結構高いわというお声もあります。そうした中で、総務大臣も、受信料の値下げのあり方、受信料のあり方ですね、これは非常に、幾つか言及されていると思います。改めてお伺いしたいんですけれども、受信料のあり方について、どのように総務大臣はお考えなんでしょうか。

○野田国務大臣 お答えします。

NHKは、国民・視聴者に御負担をいただく受信料によって支えられている、それをしっかりとやはり思っていてほしいなと思います。受信料については、国民・視聴者にとって納得感のあるものにしていく必要もあると考えています。

 NHK平成三十年度予算に付する総務大臣意見において、繰越金の現状や平成三十一年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえて、既存業務全体の見直しや、今お話があったように、受信料額の引下げの可能性を含めた受信料のあり方について検討を行うべきである旨指摘をしたところです

NHKにおかれては、総務大臣意見を踏まえ、真摯に検討を進めていただきたいと考えています。

○丸山委員 という総務大臣の御意見で、非常に役所的用語ですが、しかし前向きに書いているなというのは、正直、私も役所出身なので、結構踏み込んでいると思うんです。

一方で、NHKさんは、どちらかというと、やはりここの部分は、下げればその分事業収入は減るわけで、外から見たら後ろ向きなんじゃないかと思われがちですが、実際は、三年間ですか、奨学金の学生の世帯のところには免除されたり、いろんな部分でやられるというのは聞いております。

それも含めて、どういう対応、特にその後が気になるんですよね。その後の対応も含めて、きょうはNHK会長に来ていただいていますので、NHKの受信料のあり方、我々としては値下げも含めて考えてほしいというのが国民の声だと思いますけれども、どのようにお答えになられますか。

○上田参考人 お答えいたします。

若干繰り返しの部分もありますけれども、次期経営計画では、4K、8Kなど放送サービスの充実強化を図った上で、受信料収入の増加と業務全般にわたる経費の削減によって、三カ年で百七十億円規模の原資を生み出しました。その上で、受信料制度等検討委員会の答申や視聴者の皆様などから寄せられた、社会福祉施設への免除を拡大してほしい、また、親元等から離れて暮らす学生の負担を軽減してほしいといった御意見も踏まえまして、今回の受信料の負担軽減策を優先して実施するということにいたしました。

 先生御指摘の、今後の受信料額の適正な水準とか、この受信料に関する検討に関しましては、やはり中長期的な事業計画や収支見通しを踏まえた上で検討すべき重要な課題だという認識を持っております。

次期三カ年の受信料収入の状況も踏まえながら、中長期的な視点に立って、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

○丸山委員 上田会長、すごくお人柄もよくて、前会長は、いろいろ御発言、問題があったので荒れた時期もありましたが、数年間は非常にしっかり国会でも質疑できていますし、その中で、全会派一致で予算採決というのは多うございます。

そうした中で、今御答弁を読んでいただいたんですけれども、ちょっと逆に本音の部分も聞きたいなと思っていまして、値下げ、どうですか。会長として、値下げまではちょっと踏み込みづらいなとか、お言葉は難しいとは思いますけれども、そういう声が多いのは認識されていると思うんですけれども、そういう国民の声についてどうお考えになりますか。

○上田参考人 そういった値下げに対する要望があるということも重く受けとめておりますけれども、受信料制度に関しましては、きょうの午前中の質疑でも取り上げられていましたけれども、衛星契約をどうするのかとか、それから、通信の、インターネットの世界に入っていったときにトータルとして受信料制度をどうするのか、いろんな、受信料、トータルとしてやはり検討していく必要があると思います。

したがいまして、私は、会長に就任してすぐさま受信料制度等検討委員会というのを立ち上げまして、第三者の意見もしっかりと聞きながら、それを踏まえた上で、NHK独断でやるのではなくて、しっかりと対応していきたいと思っていますし、最終的にはやはり国民の皆様の御理解を得るということが最大の課題なので、その辺もしっかりと踏まえて対応していきたい、そういうふうに考えております。

(中略)

○吉川(元)委員 ちょっと、聞いていて、やりますとしか言っていないように聞こえるんですけれども。

今後、4Kや8K本格実施、これはチャンネル数が当然ふえてきます。これは、同時に番組数もふえるということを意味します。ネット上での同時配信、これをやれば、またこれはこれでコンテンツの充実が必要になってきます。このままいくと間違いなく業務は拡大をしていくというのは、これは誰が考えても当たり前なんじゃないか。

そういう意味でいうと、具体的にもう少し、何をスクラップしていくのか、あるいは改革をしていくのか、どういった青写真を描いていらっしゃるのか、これは事務方で結構です、答弁いただけますか。

○根本参考人 お答えいたします。

ことし十二月のスーパーハイビジョンの本放送開始を始め、二〇二〇年に照準を合わせました最高水準の放送サービスの実現のためには、今後業務量が増加するという課題意識は持っております。

そのため、経営レベルで働き方改革の方針案を決定し、必要な事項を議論する働き方改革推進委員会において、現在、見直しやスクラップを必要とする業務について検討を進めているところでございます。各職場でも、公共放送としてのサービスの質を落とさないことを前提に、聖域なく業務の集約やフローの見直しを進めているということでございます。あわせまして、最新技術を活用した定型業務の効率化などにも着手しました。

長時間労働を前提とした働き方になりがちな組織風土を変えていきたいというふうに考えているところでございます。

○吉川(元)委員 関連して大臣に尋ねたいというふうに思います。

今回、総務大臣意見がつけられております。年々これは長くなっていって、十年後にはどうなるんだろうというような気がしないでもないですが、その中で、この働き方改革についても、働き過ぎでとうとい命が二度と失われることのないよう、徹底した取組を強く求めるというふうになっております。

ちょっと私、びっくりしたのは、そのすぐ下の項目で、これは経営改革の推進の項目なんですが、要員数の削減も視野に入れた業務の合理化、効率化を求めていらっしゃいます。配意せよということになっております。一方で、質の高い番組を提供せよ、あるいはサービスの高度化をしていけ、こういうことが配意すべき課題としてずっと掲げられています。

これを書いた方は、矛盾なくこういうことが書けるのかなというふうにも思います。

もちろん、受信料で成り立っているNHKですから、無駄なお金は使ってはならないという、これは私自身も理解をいたしますが、しかし、長時間労働、働き過ぎを是正するとなると、これは今スクラップをされるというふうにNHKの方が言われていらっしゃいますが、今後、先ほど言いましたとおり、オリンピック、パラリンピック、4K、8K、ネット、いっぱい仕事がふえていくわけです。

そうなると、結局、一方で質の高い番組をつくり続けなさい、高度化しなさい、一方で働き過ぎ、徹底的にそれを改善しなさい、で、職員の数を減らせと。これは一体どうやったら成り立つのか、私自身は理解不能ですし、これを、大臣名ということですけれども、恐らく総務省の中で検討されてつけられた意見だとは思うんですけれども、明らかに前後で矛盾をしているような内容になっているのではないか。

そういう意味でいうと、長時間労働を是正するときには、やはり人員もしっかり配置をしない限り、質も高めながら、なおかつ人を減らす、そういうことは不可能だと思うんですけれども、なぜこういう意見になったのか、その真意をお聞かせください。

○野田国務大臣 お答えいたします。

私も、これはしっかり自分で取り組んで出した意見ですので、極力自分の言葉で申し上げたいと思うんですけれども。

まず、どんな組織にでも、もう不要になっている仕事とか、そういうのがあるはずです。そういうものをやはり、そこへの要員は、せっかく皆さんから受信料をいただいていますから、そういう、何かに置きかえられるとか、もう既に時代とともに不要になった仕事というのは、どの組織にも必ず出てまいります。それに対しては要員の削減をするということで、必ずしも全組織の人を減らせということを言っているわけじゃなくて、適正に、この仕事が収益の負荷にかかるものはちゃんと合理化していこう、そして、常に要員数については適正化を図ると言っていますから、必ずしも減らす一方ということは申し上げていないつもりです。必要なところにやはり必要な人をつけていただかなければならないと思っています。

あと、無駄な仕事というのは例えばどういうものがあるかな。先ほども委員の方から、夜討ち朝駆けというんですか、そういうので長時間労働をせざるを得なくなっている記者さんたちがいるという話がありました。それをやめるということも一つの働き方改革になるのではないか。

恐らく、皆さん、できないと思っている人が多いわけですけれども、少なくとも総務省の記者クラブの方とは、私が就任した当時、きちっと話合いをしまして、私は、夜に来ていただいても朝に来ていただいても、特段、何かスペシャルな話をすることはありませんので、こういうやはり長時間労働につながることは控えてくださいということで、納得していただいて、少なくとも私に対してはそういうことをなさらないということは決まっています。

だから、そういうこともやはりちゃんと、やれないということじゃなくて、やろうと思えば信頼関係のもとでできるということで取り組んでいただきたい、そういうふうに思っているわけであります。

○吉川(元)委員 技術革新を含めまして、ここにはもう人は要らないだろう、もっと減らせるだろう、それはもちろんあると思います。そして、その浮いた要員を、今必要なところに適材適所で異動していくということ、これもあると思います。

だとするならば、この意見の中で、わざわざ、「コスト意識を持ち要員数の削減も視野に入れ」というような文言を入れる必要性は、その適切な要員の配置ということでそれは済む話だ、今大臣がおっしゃられたことは、まさに適切な配置を行うということで言いかえられることだというふうに思います。

そういう意味でいうと、こういう言葉が入ると、これは結局、普通に読むと、普通の日本語として読むと、これを書いた、あるいはこれをつくった人というのは、自分が矛盾していることを書いているという認識がないのではないか、それこそ決まり切った文句を書いているだけなんじゃないか、そう指摘をせざるを得ません。

(中略)

○古屋委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。

本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

〔賛成者起立〕

○古屋委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました

 

総務委員会 出席委員(2018年3月22日時点、敬称略)

委員長 古屋範子

理事 井上信治、池田道孝、橘慶一郎、原田憲治、務台俊介、武内則男、奥野総一郎、高木陽介

委員 井林辰憲、小倉將信、大隈和英、大西英男、金子万寿夫、川崎二郎、神田裕、菅家一郎、木村次郎、木村哲也、工藤彰三、小林史明、左藤章、佐藤明男、杉田水脈、田畑毅、高木啓、谷公一、冨樫博之、中曽根康隆、鳩山二郎、百武公親、穂坂泰、三浦靖、三ッ林裕巳、宗清皇一、山口俊一、山口泰明、岡島一正、高井崇志、長尾秀樹、山花郁夫、井上一徳、小川淳也、寺田学、太田昌孝、原口一博、本村伸子、丸山穂高、吉川元

出典: 「第196回国会 総務委員会(2018年3月22日開催) 議事録」 衆議院ウェブサイトより一部抜粋

 

④国会本会議での承認

NHKの予算について総務委員会で承認を得た後、国会の本会議にて承認を得ることで予算の手続きが完了します。

2018年度予算は以下の通り、形式的なやり取りによって本会議の承認を得ています。

議事録をご覧いただくと分かる通り、総務委員会に検証する機能が期待されているため、本会議では予算が適切かどうかについて吟味されることは無いと思われます。

○古屋範子君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

本件は、日本放送協会の平成三十年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。

まず、収支予算は、一般勘定において、事業収入七千百六十八億円、事業支出七千百二十八億円を計上し、事業収支差金は四十億円となっております。

次に、事業計画は、国民の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実、経済成長の牽引力として期待される4K、8Kの推進等に取り組むこととしております。

資金計画は、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。

なお、この収支予算等について、総務大臣から、おおむね妥当なものと認められるとした上で、協会は、みずからの経営が国民・視聴者の受信料によって支えられていることを十分に自覚し、業務の合理化、効率化に向けてたゆまぬ改善の努力を行うとともに、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見が付されております。

本件は、去る三月二十日本委員会に付託され、昨二十二日、野田総務大臣から提案理由の説明を、日本放送協会会長から補足説明をそれぞれ聴取した後、質疑に入り、同日質疑を終局いたしました。次いで、採決いたしましたところ、本件は全会一致をもって承認すべきものと決しました。

なお、本件に対し附帯決議を付することに決しました。

以上、御報告申し上げます。(拍手)

○議長(大島理森君) 採決いたします。

本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認することに決まりました。

出典: 「第196回国会 本会議(2018年3月23日開催) 議事録」 衆議院ウェブサイトより一部抜粋

 

21人を説得すればNHKの予算を削減できる

以上見てきたように、NHKの予算の妥当性について吟味する機能を担っているのは総務委員会であるということが分かったかと存じます。

そして、この委員会は国会議員40人で構成されています。ということは、その過半数である21人の国会議員を説得することが出来れば、NHKの予算を削減させ、受信料を下げ、事業規模の適正化を達成することが出来ると思われます。

そこで、この投稿を読んでくださった皆様にお願いがあります。

現時点の総務委員会のメンバーに対して、NHKの抜本的な予算削減について議論を促すメール送付や問い合わせをして頂けないでしょうか。

現時点の総務委員会のメンバーは以下のリンクをご覧ください。

総務委員会 委員名簿

1人でも多くの方が、この40人に対して意見することで、総務委員会で予算削減についての質疑応答がなされるようになります。議事録は一般公開されますので、予算を削減しないというのであれば、それ相応の根拠を予算賛成側は提示する必要も出てきます。

マスコミがこのことを取り上げてくれるようになれば、世論形成も進展し、票が欲しい国会議員も予算削減の意見を表明せざるを得なくなると思います。

ご参考までに、文案を以下に記しておきます。必要に応じて適宜ご利用ください。

<以下文案>

●●先生

総務委員会の構成員であられるということで、一国民としてお願いがあり本メールを差し上げております。

NHKの役割については十分理解しているつもりですが、現状、NHKの組織は必要以上に大きくなっていると考えております。

そこで、NHKの予算を審議される際は、是非予算削減について議論して頂きたく存じます。

例えば、外国語の教育番組については、新たに制作する必要はないと考えています。というのも、言語はそれ程頻繁に変わるものではないからです。過去数十年分のコンテンツが蓄積しているので、それを再放送すれば製作費はかからないかと存じます。

こういった方法により、抜本的に製作費を削減し、受信料も大幅に下げることが出来ようかと存じます。

ご検討の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

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