高齢者による自動車事故を減らすアイデア ~条例による免許はく奪~

   

高齢者による運転により多くの方が亡くなる自動車事故を良く見かけるようになりました。2019年4月にも池袋駅付近で87歳の男性が運転する車がブレーキをかけずに暴走し、3歳と31歳の母子が死亡、8人の重軽傷者が出る事故が発生しました。高齢化社会が進んでいる現在の日本において、適切な対策を講じなければこのような事故は益々増えていくことが予想されます。

こういった事態に陥るのを防ぐため、この投稿では高齢者による自動車事故を減らす現実的なアイデアを紹介します。

関連投稿

高齢者による自動車事故を減らすアイデア

高齢者による運転は事故になる危険性が高いことの検証

 

スポンサーリンク

高齢者による事故を減らすアイデア

東京都に在住の高齢者は運転免許をはく奪するという条例を制定するというのは如何でしょうか。

高齢者ドライバーから免許をはく奪する際の問題として「自動車が無いと生活が成り立たない」という点が良く指摘されています。そこで、公共交通機関が充実している東京都で、全ての高齢者(例えば75歳以上)は条例で一律に免許をはく奪すると定めるアイデアです。

過疎地では自動車は生活に欠かせないものになっているケースもあろうかと存じます。そういった地域も含め全国一律に法律で高齢者の運転を規制することは難しいと考えられます。

そこで、まずは東京都で規制を開始し世論の形成や理解を進め、その後徐々に他の地方にも広めていくという発想です。

東京都在住であっても運転が生活するうえで欠かせない高齢者もゼロではないと思われますが、その人数は地方と比べてかなり少ないと考えられます(市を含めるとそういった高齢者が多いと予想される場合は、東京都23区在住の高齢者に限定する方法も取れます)。

条例制定を判断する際の検討すべき事項

高齢者の運転による自動車事故の問題への対策を行政が考える判断基準としては以下の点が考えられます。

  • 事故によって失われる命
  • 事故によって被害者が受ける傷や障害
  • 事故によって生じる金銭的費用(医療費、被害者本人の自己負担額、社会インフラの修復費用)
  • 運転が規制されることで高齢者が受ける不便。それに対応する費用(タクシー代等)。これらの対策を税金で補てんする場合予算上許容できるか

上記に加え、日々の生活をしている私たちにとってみれば、「自動車事故から自分の身を守れるか」「予見できるか」という点がとても重要です。

例えば、皆さんが小さい子供を連れて外を歩く際は、手をつないだりして自動車事故に遭わないようにとても注意を払うのではないでしょうか。そういった状態で歩道を注意深く歩いていたとしても、痴呆や身体能力の低下した高齢者が運転する自動車が歩道に乗り上げた場合、皆さんが一家もろともひかれてしまう危険性があります。

通常の判断能力のあるドライバーであれば暴走による事故は発生しません。言い換えると、私たちが歩道を歩いていて車に跳ねられると言うことはまず有り得ません。しかし、認知症等が進んだ高齢者の場合、私たちがどれだけ周囲に気を配っていても車に跳ねられるというリスクがぬぐい切れません

高齢者が運転できる現行の制度では、私たちは歩道を歩いていても車に跳ねられてしまうリスクがあります。

条例制定のハードル

以上のことを総合的に考えて、私は東京都の条例で高齢者の運転免許をはく奪するという方法は現実的な案だと思います。

しかし、都議会議員にとってみれば、高齢者の運転を規制する条例を制定することで高齢者からの票が失われることが予想されます。高齢化が進んでいる日本において高齢者からの賛同を得辛い政策であり、選挙で当選することがとても重要な議員の方々にとってみれば、後押しし辛い政策と言えます。

つまり、このような条例を制定するのは構造的な問題として賛同者が得られ辛く、実現させるのが難しいと言えます。

この高いハードルを越える方法としては、このアイデアを多くの人に知って頂く必要があると考えています。そして世論を形成し、政治家にこの政策を推奨することが得策だと思わせる必要があろうかと存じます。

また、マスコミの方々が世論調査をされる際、世代別にアンケートを取って頂きたいと考えています。それによって、若者向けの政策を推し進めたいと考えている政治家にとって、この政策がどの程度若者に支持されるのか等の参考材料となるからです。シルバー民主主義や世代間格差ということに問題意識を持ち、その対策をするべきだと考えている政治家は少なからずいると思います。

条例と法律の関係

法律では18歳以上であれば自動車免許を取得でき、年齢の上限は設けられていません。そのため、条例で高齢者の運転免許をはく奪する場合、この法律に抵触する恐れがあります(一般的に、都道府県で定める条例よりも国が定める法律の方が優先されます)。

もし、上記のような条例を定めることが出来ないのであれば、地方自治体は、別の方法で高齢者の運転が出来ないようにすることが出来ます。

例えば、以下の様な定めが考えられます。

  • 免許を返納しない高齢者の税金(住民税等地方自治体が徴収する税金)を高額にして、実質的に運転免許を維持できないようにする。判断力の低下した高齢者は事故を起こす危険性が相応に高いため、それに見合った税金を納めるようにするというのが税率を上げる名目
  • 高齢者の免許更新手続きを複雑にし、更新手続きに数年かかるようにする。数年間運転できない状況が続けば、車の無い生活方法を各自が模索するため、免許更新後に運転を再開する可能性が低下することが期待できる(都道府県警の運営方法に地方自治体が口を挟むことが出来るかは存じ上げません)
  • 免許を返納しない高齢者に対してあらゆる行政手続きに制約を設ける。例えば、住民票の交付、保険証の交付等の手続きに数年かけるようにする

国の法律に抵触しない範囲で高齢者に自動車免許の返納を促す方法は、上記に限らず様々な方法があろうかと存じます。実際に行政に携わっている方々であれば、上記の方法よりももっと現実的な方法を見つけられると思います。

高齢者の運転に関する問題を解決するには、まず東京都が動くことによって日本全体を動かすという流れを作るのが、一番早いのではないかと考えています。

是非都議会で議論を重ねて頂きたいです。

(ご参考)条例を定められる範囲

条例の制定には憲法第94条や地方自治法第14条にて、以下の通り定められています。

日本国憲法

第九十四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

地方自治法

第二条第二項 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。

また、千葉県のウェブサイトにて、条例の制定と国の法律の関係性に関する分かりやすい説明がなされていますのでリンクを貼っておきます。

条例制定の可能性と限界

 

スポンサーリンク

スポンサーリンク

 - その他