蓮舫氏の二重国籍問題で本来問うべき責任

   

民進党の党首である村田蓮舫参議院議員は、2016年9月に実施された民進党代表選挙の頃から、二重国籍問題について説明を求められてきました。

その結果、2017年7月18日遂に戸籍謄本の一部を開示する運びとなりました。しかし、村田蓮舫氏の説明には過去の発言と矛盾する点や疑問の残る点があり、この投稿で一連の問題を整理してみました。そして、本当に問うべき責任について私なりの考えをまとめています。

 

結論を先に述べると以下の通りとなります。

  • 蓮舫氏が国籍法に違反していることを正式に認めた
  • 公職選挙法違反が疑われるが、蓮舫氏本人は認めていない。法律上は時効が成立している
  • 蓮舫氏が本当に問われるべき責任は、国会議員が説明責任を果たさなくても良いという土壌づくりに加担した

 

以下順を追って説明していきます。

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国籍法とは ~二重国籍解消について~

国籍法では、国籍の選択を22歳までにしなければならないと定められています。そして、二重国籍を解消するために努力しなければならないとも定められています。

 

国籍法

第十四条  外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない

2  日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

 

第十六条  選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない

 

国籍法第14条2項で定められているとおり、外国籍の離脱には「外国国籍喪失届」と「国籍選択宣言」の2つの方法があります。

通常は、「外国国籍喪失届」を提出し、その国の国籍を放棄することが出来ますが、国によっては国籍を放棄することが難しい場合もあります。そういった場合の救済措置として、「国籍選択宣言」という制度が設けられている様です。

 

二重国籍の人は国会議員になれるのか

「公職選挙法上、二重国籍を持っている人でも国会議員になれる」と主張している方がいますが、1984年に行われた国会の答弁をその根拠としている場合が多い様に思います。

この国会の答弁で浅野氏は、「二重国籍で国会議員になっても問題ない」という趣旨の回答をしています。

 

○飯田忠雄君

先ほど旧国籍法のところでお尋ねしましたが、旧国籍法でも選挙権を制限しているのじゃないんですよ。国の重要な職、国務大臣とか、現在で言うならば最高裁長官とかあるいは国会議員、そういうものになるのを禁止しておるだけであって、選挙権そのものを一般的に禁止しているんじゃないですよ。そういうことは、なぜ旧国籍法がそういう制限をとったかといえば、やはり国の主権擁護のためであると解きざるを得ないわけですね。

そこで、二重国籍者に被選挙権を無制限で認めるということは政治上障害が起こらないと合理的に判断させる根拠がありますか、お尋ねします。これは今法務省ばかりお尋ねしましたので、自治省のお方と内閣法制局のお方に御答弁を願います。

○説明員(浅野大三郎君)

被選挙権につきましては公職選挙法第十条で規定しているわけでございまして、一定年齢以上の日本国民は衆議院議員または参議院議員の被選挙権を有するということを定めております。一方で二重国籍の者を排除するという規定もございませんから、日本国籍のほか他の国の国籍を有する二重国籍者が国会議員となるということも現行法上可能ということになっております。

お尋ねは、一体それで政治上障害が起こらないという合理的理由があるかどうかということでございますが、大変難しい問題でございます。ただ、私どもといたしましては、これまでのところそういう二重国籍者が選挙権を行使する、あるいは選挙によって選ばれる、公職についたことによりまして何らかの障害が生じたという事例は承知しておらないところでございます。

 

出典: 第101回 国会参議院法務委員会 第10号会議録(1984年8月2日) 国立国会図書館 国会会議録検索システムより一部抜粋

 

 

このように浅野氏は回答していますが、16条で定められている通り二重国籍の解消に努めなければ、国籍法に違反します。実際、この国会の答弁では国籍法違反についてはうまく避けて回答しています。

更に、この答弁で浅野氏は「過去に自分が知っている限りにおいて」二重国籍であることで障害が生じた事例は無いという回答をしています。これは飯田氏の質問に対する有効な回答にはなっていません。例えば、浅野氏が過去事例全てを把握しているわけではないですし、過去問題が生じなかったのは偶然そうであったとも言えるからです。本来回答すべきなのは、日本と他国の間で国際問題が生じた際に、二重国籍を持っている国会議員等が100%日本のために働いてくれるロジックです。

 

繰り返しになりますが、二重国籍の人はその解消に務めないと国籍法違反になります。法律違反をしていても国会議員になることは許されるということでない限りは、二重国籍の方が国会議員にはなれないと考えるのが妥当だと思います。

尚、二重国籍の方が国会議員になることの弊害はこの投稿で触れているので、興味のある方は是非ご覧ください。

村田蓮舫議員の二重国籍問題に関する説明責任と、推薦人が果たすべき責任

 

 

公職選挙法とは ~経歴詐称について~

公職選挙法では、自身の経歴をわざと偽って選挙に立候補した人を罰する定めがあります。村田蓮舫氏は2004年の参議院選挙の際に、経歴詐称したとの疑いが持たれていますが、この法律違反に関する時効は3年であるため、現時点では法律上有罪とされる可能性は低いと思われます。

 

公職選挙法

第二百三十五条  当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する

 

刑事訴訟法

第二百五十条

2  時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一  死刑に当たる罪については二十五年

二  無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年

三  長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年

四  長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年

五  長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年

 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

七  拘留又は科料に当たる罪については一年

 

 

以上、国籍法や公職選挙法について説明してきました。そこで、次に蓮舫議員は二重国籍問題に関してどのような動きをしてきたのかについて、整理していきます。

 

 

村田蓮舫議員の二重国籍問題を巡る動向

蓮舫議員のプロフィールは以下の通りです。2004年に実施された参議院議員選挙では、選挙公報で18歳の時に「台湾籍から帰化」したと明言しています。

 

1967年11月28日生まれ

1990年 青山学院大学法学部卒業

2004年7月 第20回参議院議員選挙で初当選(当時36歳)

2010年7月 第22回参議院議員選挙で2期目の当選(当時42歳)

2016年7月 第24回参議院議員選挙で3期目の当選(当時48歳)

 

出典: 民進党公式ホームページ、村田蓮舫議員公式ホームページ

 

れんほう(蓮舫)プロフィール

1967年11月28日、東京都生まれ。青山学院大学法学部卒。台湾人の父と日本人の母との間に生まる。

1985年、台湾籍から帰化

 

出典: 選挙公報(2004年)

 

村田蓮舫氏が、当選するために故意に二重国籍であることを偽っていた場合、公職選挙法違反となります。しかし、この違反に関する時効は3年なので、2004年の選挙について村田蓮舫氏が法律上罪に問われる可能性は低いのではないかと思います。

尚、余談ですが村田蓮舫氏は法学部を卒業しています。大学では法律についてしっかり学んできたことが推察されます。法律の知識を持って選挙にている方が、「二重国籍であったことについて認識不足だった」とか、「タレントとして活動するのに役立てるために中国や台湾を強調していた」と説明するのは説得力に欠けると言わざるを得ません。

 

2016年に蓮舫氏の二重国籍問題が指摘されるようになり、様々な説明が蓮舫氏からされました。全容を理解しやすくするために以下の通り時系列でその動向をまとめました。

2016年8月29日 八幡和郎氏がネットの言論サイト「アゴラ」にて村田蓮舫議員の二重国籍問題について指摘
2016年9月2日 民進党代表選挙の告示。会見で「台湾国籍を放棄し忘れているという指摘があるが」との質問に対し、蓮舫氏は「ごめんなさい、それわかんない」と返答
2016年9月6日 蓮舫氏が、台湾の日本における窓口である台北駐日経済文化代表処へ「喪失国籍許可証書」の届け出をする
2016年9月12日 民進党代表選挙の郵便投票期日
2016年9月13日 記者会見にて蓮舫氏が二重国籍を有していることを認める
2016年9月15日 代表選臨時党大会を開催し、議員等による投票を実施。村田蓮舫議員が民進党の代表に選出される
2016年9月23日 「喪失国籍許可証書」を蓮舫氏が受領(証書の日付は2016年9月13)。民進党の記者会見で、蓮舫氏は「私の台湾籍の離脱手続に関しまして、先ほど台湾当局から、手続が完了したという報告と証明書をいただきました。」と発言
2016年9月26日 「喪失国籍許可証書」に基づき、目黒区役所に外国国籍喪失届を提出
2016年10月7日 上記喪失届について、日本は台湾を政府承認していないため不受理とされる。国籍選択宣言を実施
2016年10月17 台湾内政部による「喪失国籍許可証書」の審査が完了
2016年10月27日 蓮舫氏による会見で「14条2の前段の部分(外国の国籍を離脱)で届け出をしていますと。最終的にその前段の部分は完遂はしていません。ただ、14条にのっとって手続は終わっています。」と発言
2017年7月18日 戸籍謄本の一部等を開示

注:下記出典より、当サイト管理人が作成
民進党・蓮舫代表定例会見(2016年9月23日 民進党公式ホームページ)
民進党・蓮舫代表定例会見(2016年10月27日 民進党公式ホームページ)
蓮舫代表は国籍離脱について嘘をついている(2017年7月18日 アゴラ)
二重国籍疑惑を報じると「差別主義者」なのか(2017年7月19日 東洋経済)
蓮舫代表の国籍喪失許可証についての疑問(2017年7月20日 アゴラ)
蓮舫氏「二重国籍」問題:次は法務省が説明責任を果たすべき(2017年7月22日 ハフィントンポスト)

 

ここで、疑問の残る点は以下の3つです。

  • 台湾籍の「喪失国籍許可証」の手続きは2016年10月17日時点では完了していなかったにもかかわらず、蓮舫氏はこの許可証を手続き完了よりも前の日付である2016年9月23日に受領したと主張している(上表赤色の箇所)
  • 2016年9月23日に、台湾籍の離脱を完了したと説明したにもかかわらず、一か月後の10月27日に離脱手続きは完了していないと矛盾する説明をしている(上表青色の箇所)
  • 通常、公式書類は手続きが完了した日付が付されると思われるが、「喪失国籍許可証」の日付は2016年9月13日となっている。これは手続きを開始した日付でもなければ、手続きが完了した日付でもない

 

2016年9月13日が許可証の日付となっていますが、これはどういった意味合いを持つのでしょうか。蓮舫氏が台湾当局に依頼し、この日付にしているものと思われます。

通常、許可証を発行するタイミング(2016年9月23日あたり)の日付となるはずです。日本の国会議員であり蓮舫氏が台湾当局に一定の配慮を相談して発行日から遡った日付をするのであれば、手続き開始である2016年9月6日とするのが筋ではないでしょうか。

これは私の推測ですが、民進党代表選挙の郵便投票期日が9月12日であり、この選挙に影響を及ぼさないようにするために投票期日の翌日である9月13日に蓮舫氏が正式に二重国籍を認めたのではないかと思います。そして、それよりも前の日程(例えば喪失国籍許可証の手続きを開始した9月6日)を許可証の日付とした場合、なぜその際に二重国籍であることを発表しなかったのかと非難されることが予想されます。9月6日に認めてしまったら民進党代表選挙で影響を及ぼすことが予想されるため、投票期日の9月12日以降でなければならなかったのではないでしょうか。

さらに、代表として選出される9月15日よりも前の日程で、二重国籍に関する法的不手際を解消したいという思惑があり、9月13日を選んだと考えられます。

 

以上は私の推測ですが、これまで発表された事実から理論的に考えれば、このような結論になります。

 

 

村田蓮舫議員が中国籍を持っていることを認識していたとする根拠

公職選挙法では意図的に自分の経歴を偽ってはいけないと定められています。つまり、蓮舫氏がタレント活動をしていた頃から二重国籍であることを認識していたのかどうかが公職選挙法違反かどうかの争点となります。

そこで、蓮舫氏が二重国籍であることを認識していたと思われる根拠として、過去に雑誌や記事で取り上げられた蓮舫氏の発言をいくつか紹介します。

 

三枝 お母さんは日本人?

蓮舫 そうです。父は台湾で、私は、二重国籍なんです

 

出典: 連載対談 三枝成彰の「美女とコンチェルト」(週刊現代1993年2月6日号)より一部抜粋
注: 村田蓮舫氏は当時25歳

 

蓮舫さんは「在日の中国国籍の者として、アジアからの視点にこだわりたい」と話した。

 

出典: 新ニュースキャスター決まる (1993年3月16日 朝日新聞)より一部抜粋
注: 村田蓮舫氏は当時25歳。テレビ朝日のニュース番組「ステーションEYE」のメインキャスターを務めることになったことを取り上げられた記事

 

日本のことしか知らないし、日本語しか話せない。それが自分の中でコンプレックスになっていました。だから自分の国籍は台湾なんですが、父のいた大陸というものを一度この目で見てみたい、言葉を覚えたいと考えていました。

 

出典: 蓮舫の在北京的妊娠生活(CREA 1997年2月号 文藝春秋)
注: 村田蓮舫氏は当時29歳

 

 

村田蓮舫議員の主張

これまで蓮舫議員を非難する根拠を紹介してきました。その非難は理に適っているのかどうかを判断するには、蓮舫氏の主張も吟味する必要があるので、ここで紹介いたします。

 

二重国籍だと認識していなかったとする主張の根拠

2004年の参議院選挙で、蓮舫氏は台湾籍から帰化したと説明し、当選を果たしています。「帰化」という言葉は、二重国籍を解消したという意味ではなく、日本国籍を取得したという意味であると説明しています。

――1985年以前の日本の国籍法は、国際結婚の子どもは父親の国籍しか選ぶことができませんでした。ということは、生まれてから17歳になった1985年まで、中華民国籍(以下、台湾籍と呼ぶ)だったということですね。

そうです。ただ、(日本と中華民国が断交した)1972年以降は、国籍の表記としては「中国籍」となっていました。

――これまでのメディアの取材で「生まれたときから日本人だった」と語ったことがありましたが。

この間、ネットなどで私の家族を攻撃するような、いわれなき書き込みがあったので、あえて私の気持ちとしては日本で生まれて育って日本の風土で育まれたという気持ちを話しました。ですが確かに法律上は17歳から日本人になっています。

(中略)

――過去の選挙広報で「帰化」という言葉を使っていたこともありましたが、厳密に言うと、帰化は成人の場合にのみ使うので、正しくは国籍取得ですね

広い意味で国籍取得も帰化も同じように日本人になったことを指すと思って使っていたのであり、他意はありません。

出典: 国籍放棄問題の渦中にある蓮舫氏、単独インタビュー 2016年9月9日 Yahoo!ニュース

 

 

過去に二重国籍を認識していたのではという指摘に対しては、「タレントとして世間に売り込むために、あえて強調していたのであり、二重国籍という国籍法違反をしているという認識はなかった」という趣旨の説明をしています。

【フリーランス・安積記者】

先ほど、台湾籍を離脱した経緯、お父様が離脱の手続をされたと勘違いをされたというお話、それは理解したが、一方、代表は政治家になられる前にタレントとして活動されていて、これはお父様から受け継いだ台湾のアイデンティティを一つはタレントとしての個性としてお使いになっている。その関係の発言は幾つかあるが、アイデンティということはいいが、事実として、こういう記載がある。「週刊現代」の93年2月6日号は、「父は台湾で、私は二重国籍なんです」と発言されている。また、朝日新聞、93年3月、「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」と。「CREA」の97年2月号では、「だから自分の国籍は台湾なんですが」と発言されているこれらの記録は、先ほどの代表の説明と矛盾するが、これについてはどういうふうなことか。

【代表】

当時の、タレント時代の私が、事実の確認や認識あるいは法的評価を混同して、幾つか今お示しいただいたように発言をしていました。今振り返ると、随分浅はかな発言だったと思っています。

他方で、当時私は本名で、「蓮舫」という名前で、アジアのダブルのルーツを持っているという部分でキャラクターを立たせる形で、タレントであり、あるいはその後はニュースキャスターをして、特に中国や香港、台湾、アジアの問題と日本をつなぐジャーナリストの役割を果たしたいという部分は、これは自分のルーツをもとに際立たせていたこともあります。

その部分で、ハーフという部分、ダブルという部分を強調したことが、結果として今、法的な評価、あるいは事実関係を含めて、そごが生じているのは本当に申しわけない。当時の発言が軽かったと思っています。

 

出典: 民進党・蓮舫代表記者会見(2017年7月18日 民進党公式ホームページ)

 

蓮舫氏の一連の回答は、論理的な説明になってないと思います。

そもそも選挙に出る時点で日本国籍を持っているのは当然です。選挙公報では限られた紙面の中で、最大限自分を有権者にアピールできる場です。その貴重なスペースにあえて「日本国籍を取得しました」とアピールすることに意味があるとは思えません。

この選挙公報で「帰化」という言葉を選んだ意図は、「台湾籍を離脱して二重国籍を解消し、100%日本の国益のために尽くす」ということをアピールしたかったと考えるのが妥当です。

それまで、タレントとして中国色や台湾色をアピールしていたため、日本のために尽力するということをアピールする必要があったと推察されます。

 

 

戸籍を公開しなかった理由

自民党の小野田紀美参議院議員が即座に戸籍を公開したのに対し、村田蓮舫議員戸籍公開を頑なに拒んできました。その理由は、子供が二十歳の誕生日を迎えるのを待っていたと説明しています。子供等のプライバシーに係る個所を白塗りにすればもっと早く開示できたのではという質問に対しては、理に適った説明はなされませんでした。「白塗りであっても親としては慎重になる」という説明に終始しており、説明責任を果たしていないと思われます。

【読売新聞・森山記者】

きょう公表された資料は、おっしゃるようにいずれも秘匿性の高いものだというのは十分理解するが、昨年秋の時点で、一番秘匿性が高いとされる戸籍謄本の一部を除いて少し公開をして説明責任を果たされる、という考え方というのはおありだったのかどうか伺いたい。

【代表】

昨年の秋の時点では、ありませんでした。何度も申し上げさせていただいて恐縮なのですが、子どもが成人年齢に達していないことが最大の理由です。

(中略)

【東京新聞・我那覇記者】

確認だが、今回公表したものは、結果的には国籍の選択宣言とか、代表が一番慎重、ためらった理由として挙げておられた「子どもが成人年齢に達していない」というところとは関係がないというか、出そうと思えば去年でも、同じように白塗りにした形で公表することはできたと思うが、なぜ、一番早くで言えば去年の代表選のころに、今回のような形で公表できなかったのか。これまで幾つかタイミングがあったと思うが、その辺をもう一度伺いたい。

(中略)

【産経新聞・石井記者】

本日のお話で、蓮舫さんが代表としての立場、公人としての立場というのと、一人のお母様としての立場というのを非常に比重を持って今回の公表に臨まれたことがわかったが、どうしても、先ほどの東京新聞の方の続きになってしまうが、このお子様のことが関係すると言われる国籍選択の宣言の日付のところ、これを見ても真っ白になっていて、何かしら直接的な関係があるとは思えない。そのほかにも、ご本人のサインの部分などは白塗りにされたものを公表されている。お子様の立場、未成年という立場にこだわられたお気持ちを伺いたい。

【代表】

確かに石井さんや第三者から見たら、それは何が書いてあるのかわからず、「子どもの戸籍の記載のページですよ」と言われて初めてわかるものだとは思うのですが、親としてはそこに書いてあることはわかっているわけで、それに対して、極めて秘匿性の高い戸籍、仮に白塗りにしたところで、それを出すということは、親としてはやはり成人年齢に達して理解を得られて、たとえ白塗りにするにしても、ものすごくそこは慎重になるという思いがあるということ、これはぜひご理解をいただければと思います。

 

出典: 民進党・蓮舫代表記者会見(2017年7月18日 民進党公式ホームページ)

 

蓮舫氏自身による主張は以上見てきたとおりです。次に、蓮舫氏以外の方による擁護する意見について見ていきます。

 

蓮舫氏を擁護する意見

民進党の参議院議員である有田芳生氏は、村田蓮舫議員を擁護する以下の様な内容の寄稿をしました。

 

私は戸籍公開がプライバシー問題だけでなく、在日韓国・朝鮮人や被差別部落出身者が経験してきた差別の歴史からいって、絶対に受け入れてはならない重要な人権問題だとツイッターに書いた。蓮舫代表に個人情報の開示を求めるのは、出自による差別を禁止している憲法第14条(「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」)および、人種差別撤廃条約の趣旨に反する差別そのものである

 

出典:有田芳生緊急寄稿!「蓮舫代表への戸籍公開要求は、絶対に受入れてはならない重要な人権問題、差別そのものだ」 (2017年7月14日 LITERA)

 

民進党の議員という有田氏の立場を考えると、代表を支援するということに一定の理解は出来きます。

しかし、上記発言は論点が間違っており、蓮舫氏を擁護できるロジカルな主張とは言えません。

村田蓮舫氏の二重国籍問題は、出自を問題にしているのではなく、公職選挙法違反や国籍法違反の疑いがもたれているにも関わらず、党首としての説明責任を果たしていない点を問題にしています。

 

本来問うべき責任と蓮舫氏に期待すること

私がこの投稿を書いている最大の理由は、国会議員が説明責任を果たし、日本の国益を第一に考えて働いてほしいと願っているからです。

2016年に二重国籍問題が指摘されてからの蓮舫氏がとった対応で、私が問題と考えている点は以下の通りです。

  • 過去に二重国籍であると知りながら日本国籍しかないと嘘をつき、参議院議員選挙に当選したことを認めなかった
  • 二重国籍問題があったと認識しておきながら、民主党代表選挙の郵便投票期日が過ぎるまで黙っていた
  • 政治家として説明責任を果たすよりも、自身が国会議員という立場を維持したり、党首になったりする利益の方を優先させた。つまり、国益よりも自身の利益を優先させた

 

蓮舫氏のこれまでの対応で、もっとも罪深いと私が考えるのは、国会議員が説明責任を果たさなくても良いという土壌づくりに加担したという点です。

 

法律上は国籍法や公職選挙法違反といった問題点がありますが、蓮舫氏が日本の国益に反することをこれまで行ってきたとはあまり考えられません。立法の趣旨を鑑みると、本件については国籍法や公職選挙法に違反したからという理由で蓮舫氏を責める必要性は高くないと考えます。

しかし、国会議員が説明責任を果たさない風潮作りに加担したことは国益を大きく損ねる行動です。

国会議員が国益に反すること(既得権益者への優遇等)をしないようにチェックできる仕組みは、民主主義を成り立たせるためにとても大事なものです。

与党が国益に反することをした場合、野党やマスコミがそれを追及するのも民主主義を健全に機能させる仕組みのひとつです。そして、チェックをきちんと機能させるにためは、政治家が説明責任を果たすことが絶対に欠かせません。

政治家が嘘をつき説明責任を果たさなくなれば、ありとあらゆるところで汚職が蔓延し、日本経済は衰退の一途をたどることになります。

この意味で蓮舫氏は国益を大きく損ねる行動をしてきたと言えます。

 

では村田蓮舫氏は本来どう行動するべきだったのでしょうか。私は次のように考えます。

  • 過去に二重国籍であると知りながら日本国籍しかないと嘘をつき、参議院議員選挙に当選したことを認め、議員を辞職する
  • 議員を辞職したうえで、(蓮舫氏が政治家を続けたいのであれば)蓮舫氏の政治手腕に期待する国民がいるのかどうかを選挙で問う

 

説明責任を果たさない国会議員がいなくなれば、日本はもっと良い国になると私は信じています。

日本の国益のために、村田蓮舫氏が賢明な行動をすることを期待したいと思います。

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