シルバー民主主義の問題点と解決策
2017/07/24
2016年2月頃、ネットで「保育園落ちた 日本死ね!!!」という匿名の書き込みがされました。
この書き込みの内容を大まかに説明すると、「保育園の抽選に落ちてしまい働きたくても働けなくなってしまった人が、少子化対策を怠っている国を批判している」というものです。
目次
高齢者を優遇している政策
この書き込みは高齢者を優遇している今の日本を象徴している出来事ではないかと私は感じています。
実は、2016年1月に「年金生活者等支援臨時福祉給付金」という制度が発表されました。これは、年金が特に少ない高齢者に3万円を支給するという制度です。
そして、この制度の代わりとして廃止されたのが「子育て世帯臨時特例給付金」というものです。これは、中学生までの子供一人に対して3,000円支給するという制度で、これが2016年4月から廃止されました。
ざっくりいうと、子育て世帯への支援を、高齢者の支援に振り替えるという政策を実施しています。
シルバー民主主義とは
日本は高齢者が多いため、政治家は選挙に勝つために高齢者を優遇する政策を掲げざるを得ません。このように、高齢者を優遇している制度のことをシルバー民主主義と言います。
1993年、当時高知県知事だった橋本大二郎氏は、次の様な名セリフを残しています。
次の選挙のことを考えれば、ゲートボール場をたくさん作ればいい。でも、県の今後の発展を考えれば、子どものためのサッカー場を作ったほうがいい
一人が一票を持っている今の選挙制度では、高齢化が進めば益々このような高齢者優遇は進んでいくと思われます。しかし、高齢者を優遇し、少子化対策や教育費の補助金等が削減されてしまうと、これから日本を背負っていく若者が育たず、日本は衰退の道を辿ることになると考えられます。
民主主義の構造的な問題
今の日本で採用されている一人一票の権利がある民主主義は、構造的な問題を抱えています。
「自分にとってメリットのある政策を実施してくれる政治家に投票をすることが当たり前」となっているのがその理由です。このような投票の仕方をしてしまうと、前述のように高齢化社会ではシルバー民主主義という弊害が生じてしまいます。
「自分にとってはデメリットとなるが、日本全体のことを考えればこの政治家に投票すべき」という考え方で投票すれば、この構造的な問題は生じません。国民全員が、このような考え方で投票できるのであれば、高齢者も長い人生の経験に基づいて、長期的な観点で日本全体にとって良い政策を実施してくれる政治家に票を投じてくれることと思われます。
今の日本では、我々はこれほど人間として成熟しているのでしょうか?まだ、そこまで社会は成熟していないと私は考えます。
シルバー民主主義の解決策
では、どうすれば上記のような民主主義の構造的な問題を解決できるのでしょうか?
私は、若い世代により多くの投票権を与えれば良いと考えます。この選挙方法のことを余命別選挙制度という呼び方もします。
このコンセプトは、「若い世代の方が自分の遠い将来のことまで考えるので、日本の政策を長期的な観点で考えて投票できる」というものです。
詳しくは、以下の投稿で説明しているので、こちらをご覧ください。
この新しい選挙制度を実際に導入させる手段として、選挙の投票用紙に「余命別選挙」と記入して無効票を投じるアイデアを私は提唱しています。興味のある方は是非以下の投稿をご覧ください。
また、余命別選挙制度と似たような考え方にドメイン投票というものもあります。これも一つの解決策だと思います。
ドメイン投票については、以下の投稿で説明しているので、こちらをご覧ください。
今のままでは、近い将来日本は取り返しのつかない状況に追い込まれてしまうという危機感を私は持っています。
そして、現状の問題点を解決する仕組みを作りたいというのが私の願いです。
その一つの方法として、若い世代により多くの投票権を与えるという方法を考えてみました。
もっと世の中でこういった議論が活発になされることを願っています。
尚、このブログでは教育、政治、経済等の分野で世の中をもっと良くしていくための私なりのアイデアを発信しています。これまで紹介させていただいたアイデアの概要やリンクを以下のページにまとめているので、興味のある方は是非ご覧ください。