フェイクニュースに踊らされる有権者、根拠のない主張をする有権者

      2020/06/15

世の中には数多くの解決すべき課題があり、政府は様々な策を実施しています。新聞やテレビの報道をはじめ、ネット上でも様々な政策に関する意見や批判が数多くなされるようになりました。

これだけ情報が溢れてしまうと、何が真実なのか、何が正しい判断なのかが分かり辛くなるといった事態も数多く発生するようになってきました。

この投稿では、そのようなケースとして2つの事例を紹介しています。そして、私たちはこのような問題にどう対応すべきかについて私なりの考えをまとめました。

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目次

内容を理解せずに政策の是非を判断する有権者たち

フォーリン・アフェアーズという外交に携わる人には必読書となっている専門誌で、面白い論文が掲載されていたのでその一部の内容を紹介させていただきます。

Public Primary Polling社による世論調査で、(アメリカの)共和党及び民主党それぞれについて予備選挙の有権者に対して次のようなアンケート調査を実施しました。

「アグラバー国への空爆を支持しますか?」

その結果、共和党有権者の約3分の1からは空爆を支持するとの回答が得られ、13%は反対するとの回答が得られました。一方、民主党有権者の19%からは空爆を支持するとの回答が得られ、36%は反対するとの回答が得られました。

つまり、回答した有権者のうち、50%前後の人は賛成もしくは反対の意見を主張しました。

注: Foreign Affairs March/April 2017 How America Lost Faith in Expertise – And Why That’s a Giant Problemを要約

実はアグラバーは実在しない架空の国です。これはディズニー映画のアラジンに出てくる国の名前です。

そもそも戦争には反対だという理由で空爆を支持しない意向を表明した有権者もいるかもしれませんが、概ね共和党や民主党の有権者のうち、約半数は内容を何も分からずに賛成や反対意見を述べたという調査結果だと言えそうです。

フェイクニュースに踊らされたアメリカ人

2016年に争われたトランプ氏とクリントン氏による大統領選挙では、ロシアが組織的に偽ニュースを拡散させたという報告書が作成され、この行為が選挙結果に影響を及ぼしたのかどうかの調査が行われている様です。

アメリカ上院情報委員会は3月30日、ロシア政府が少なくとも1000人のインターネットトロール(ネット荒らし)を雇い、大統領選挙中に、民主党大統領候補だったヒラリー・クリントン氏にとって不利になる虚偽のニュースを拡散させたという報告書を受け取った。

(中略)

(上院特別情報委員会の)ウォーナー氏は、「雇われたトロールが明らかに激戦州を集中的に狙ってフェイクニュースを流し、投票に影響を与えようとしていたことが判明した」と指摘した。「ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルベニア州では、選挙戦終盤に入った頃、有権者は『クリントンは病気だ』とか、『クリントンは誰々から何かのためにお金をもらっている』などといったフェイクニュースを読んでいました」

ウォーナー氏は、選挙結果に実際に影響があったのかどうかを調べる必要があると言った。この3つの州は、僅差でトランプが勝利した。

出典: The Huffington Post 2017年4月4日 「1000人のロシア人、金で雇われ偽ニュース拡散」アメリカ上院に報告書より一部抜粋

2つの事例から示唆されること

フォーリン・アフェアーズのレポートと、ハフィントンポストの記事から私たちは何を学ぶべきなのでしょうか。

個人的には、自分自身への戒めという思いもありこの投稿を書いています。

私たちは世の中の全ての物事に対して専門家レベルの知識を身に付けることは不可能です。当然、政府が掲げている政策の是非を私たちが考えるとき、まっとうな判断を下せるだけの知識に達していない分野が数多く存在します。私たちは可能な限り専門家が発表している正しい知識を得ることを心掛け、自己研鑽していくしかないのだと思います。

そして、多くの人がそういった自己研鑽を続けていけば、上記2つの事例のようなことが日本で起こるのを防ぐことが出来ます。そうなれば、筋の通っていない政策を掲げる政治家も淘汰されていき、日本はもっと良い国になるのではないかと思います。

このような政治家の淘汰を促す目的で、いくつかの事例をこのブログでも紹介をしているので、興味のある方は是非以下の投稿をご覧ください。

村田蓮舫議員の二重国籍問題に関する説明責任と、推薦人が果たすべき責任

細野議員の印象操作 ~大学無償化について~

合理性無き政策「大学無償化」を掲げる民進党

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